法務省は21日、生成AI(人工知能)を活用した法務支援サービス「AIリーガルテック」と、弁護士法で禁じられている「非弁行為」との線引きを明確にした新たなガイドライン(指針)を策定した。令和5年策定の旧指針を踏まえつつ、AI技術の進展を考慮して解釈を明確化。対象も契約書作成関連サービスから企業法務全般に拡大した。
非弁行為とは何か
弁護士法は、弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱う「非弁行為」を禁止している。リーガルテックは近年、契約書作成のほか文献調査や法的問題点の検討など活用範囲が広がっており、非弁行為との境界線が曖昧だとの指摘があった。
新指針の内容
今回の指針では、AIサービスが法律上の紛争事案の解決を目的としておらず、そのために特化した機能もない場合、「中立的」なサービス提供とみなせると明記。さらに、事業者が不適切利用を回避する体制を整備していれば、仮に実際の紛争でサービスが利用されても、それだけで非弁行為と判断するのは困難だとした。
こうした要件を満たせば弁護士法に抵触しないと考えられるサービスとして、文献調査▽契約書などの文書作成▽社内のコンプライアンス(法令順守)業務支援▽従業員や顧客とのトラブル対応のための内部調査支援-などを挙げた。
一方、紛争事案の解決を目的として設計されたサービスを提供する場合や、中立的なサービスでも紛争解決に使われていることを認識しながら適切な措置を取らずに提供し続けた場合には、非弁行為とみなされる可能性があるとした。
今後の展開
リーガルテックの活用は今後さらに広がるとみられ、法務省は今年度中にも、新たなルールについて議論する有識者検討会を設置する方針だ。



