公正取引委員会、香川で談合と下請法違反を摘発 地道な調査活動に密着
公正取引委員会、香川で談合と下請法違反摘発

公正取引委員会(公取委)が6〜7月、香川県内の2つの事件を明らかにした。県発注の土木工事の入札で高松市内の建設会社29社が談合を繰り返したとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定したと発表。2週間後、部品製造の金型を下請け業者に無償で保管させたなどとして、同市の建設用クレーン大手「タダノ」に下請法(現・中小受託取引適正化法)違反(利益提供要請の禁止)で県内初の勧告を出した。

公取委の役割と清水支所長の思い

「市場での公正で自由な競争を促進するための機関です」。後日、四国4県を受け持つ公取委四国支所(高松市)を訪ねると、清水敬支所長(55)が熱く語った。「競争で創意工夫や技術革新が生まれ、良い商品が出て市民、社会の利益につながることが大事だ。不当で安直に利益を得ようとするマインドはなくさなければいけない」

密室の談合、大手企業と中小事業者の間で長年続く商慣習――。いずれも関係者から詳細を聞き出し、事実を認定するのは難しそうだ。支えるのは地道な作業だという。

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立ち入り検査とデータ解析の実態

県発注工事の談合で、公取委が29社に立ち入り検査したのは2024年9月。一般的に、検査後は各社から提出されたスマートフォンなどを、必要に応じてデータを復元しながら解析。社員らが面会した日などを特定し、「綿密につなぎ合わせる」のだという。

中小事業者への聞き取りと啓発活動

中小事業者が受託する取引に関しては、定期的に聞き取りを実施。25年度は1万人を超える事業者に行った。聞き取りで違反が疑われるとして205件で調査を始めたという。清水支所長も長らく事件の調査、審査に携わった。「違反行為でも、現場の人は会社のために仕事としてやっている。だからこそ、大事なのは経営トップの順法意識です」と強調する。

聞けば、四国支所に勤務する約20人の職員は、多数の事件に対応しつつ、年60回ほど、事業者向けの講習会や懇談会といった啓発活動にも携わるという。

市民にとっての公取委の存在

敬服するとともに、質問をぶつけた。「なかなか市民に公取委を身近に感じてもらえていないのでは」。清水支所長は淡々と返した。「見かけの近さ遠さにかかわらず、国民生活に密接に関わっていることなんだ、と職員が自覚して仕事をしていくことに尽きる」

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