防衛省の2027年度予算の概算要求の全容が19日、判明した。要求額は過去最大となる約8兆9000億円で、人工知能(AI)による自衛隊の意思決定迅速化や、長距離攻撃が可能な無人機の開発が盛り込まれた。複数の政府関係者が明らかにした。
同省の2026年度予算概算要求額は8兆8454億円だった。今回の要求では、政府が年内に改定する安全保障3文書に反映させる項目について金額を示さない「事項要求」とした。
「新しい戦い方」に対応する防衛力の柱
ウクライナ侵略やイランでの戦闘を踏まえ、「新しい戦い方」に対応する「防衛力の新しいあり方」を柱に据えた。陸海空の3自衛隊を指揮する統合作戦司令部に、AIを使った意思決定支援システムを整備するとともに、AI活用の基盤となる「AIプラットフォーム」を構築する。機密性の高い情報をクラウド上で安全に扱える「防衛省クラウド」も整備する。
無人機開発や極超音速ミサイル、警戒監視体制の拡充
抑止力の強化では、長射程ミサイルと組み合わせて運用できる長距離飛行可能な無人機を開発する。潜水艦から発射する極超音速ミサイルや、民生品を活用して廉価に生産できる長射程ミサイルの開発も進める。長期間戦える「継戦能力」を高めるための防衛生産・技術基盤の強化や、中国の海洋進出を念頭に太平洋側の警戒監視体制も拡充する。
新たな組織の新設と局の増設
退職する自衛隊員やその家族への支援を推進する「退職自衛隊員・家族支援庁」を新設する。防衛省に「国際政策局」や「防衛基盤局」など3局を増設することも盛り込まれた。



