陸上自衛隊の「現地情報隊」が大学教授やNPO法人代表ら市民を対象に、愛国心や対自衛隊感情といった思想信条を組織的に収集していると熊本日日新聞が報じた件について、小泉進次郎防衛相は24日の会見で「現時点で不適切な活動を行ったことは確認されていない」と述べた。
現地情報隊の役割
防衛省によると、現地情報隊は朝霞駐屯地(埼玉県、東京都)にある陸自中央情報隊に所属。自衛隊がPKOなどで海外派遣される場合に備え、任務遂行や安全確保に必要な現地の情報収集を担っているという。派遣が想定される地域の情報は国外のみならず、海外事情に精通した国内の有識者からも収集しており、防衛省設置法第4条に基づく活動と説明している。
報道内容と大臣の見解
熊本日日新聞は、現地情報隊が国内の有識者を対象に調査する際、愛国心や対自衛隊感情のほか、性的嗜好や異性関係といった個人情報を調査・収集し、数千人分を報告書にまとめていたと報じた。小泉防衛相は「現地情報隊の情報収集の詳細は、情報収集能力を明らかにする恐れがあるため、お答えを差し控える」と述べ、大臣への報告がなかったとの指摘には「必要な情報は報告されている」と語った。
過去の判例との関連
自衛隊による情報収集活動を巡っては、イラク派遣の反対運動に参加した市民が陸自に監視されたとして、2016年に仙台高裁の判決でプライバシー侵害にあたると違法性が認められている。小泉防衛相は今回の件について「現時点で不適切な活動を行ったことは確認はされていない」と述べた上で、「自衛隊の活動について不断にその適正さを確保していくことは当然」と語った。



