日カナダ首脳会談で「経済安保対話」設立、重要鉱物の供給網強化へ前進
高市首相は3月6日、カナダのカーニー首相と首相官邸で会談を行い、両国の関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致しました。さらに、重要鉱物などのサプライチェーン(供給網)の強靭化に向けて話し合う「経済安全保障対話」を設立し、年内に初開催することでも合意しました。
厳しい安保環境を背景に、両国関係の重要性が高まる
高市首相は会談で、「厳しさを増している安全保障環境などをかんがみて、日本とカナダの関係の重要性は、これまでにないほど高まっている」と強調しました。これに対し、カーニー首相は「世界は転換点にあり、両国間のパートナーシップをさらに深めていきたい」と応じ、緊密な連携への意欲を示しました。
両首脳の会談は、昨年11月に韓国で行われて以来、2回目となります。国際会議以外でのカナダ首相の来日は、10年ぶりの出来事であり、両国間の関係強化への強い意志がうかがえます。
共同声明で6分野の協力方向性を明示
会談後には共同声明が発表され、「包括的戦略的ロードマップ(工程表)」の策定が盛り込まれました。具体的な協力分野は以下の6つです:
- 防衛協力の強化
- 経済安全保障
- 貿易・投資
- エネルギー安保・食料安保
- 北極・環境・気候変動協力
- 人的交流
これらの分野で、両国が具体的な協力を進めていく方針が示されました。
経済的威圧への懸念と資源確保の重要性
共同声明では、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁を受けて、重要鉱物の対日輸出規制を強化している中国を念頭に、両首脳があらゆる形態の経済的威圧に「深刻な懸念」を表明したことも明記されました。カナダは原油や天然ガスなどの資源が豊富で、銅やニッケルといった重要鉱物の生産量も多い国です。
米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け、資源の安定的な確保が国際的な課題となっており、液化天然ガス(LNG)を含むエネルギー分野での協力拡大も確認されました。これにより、両国はサプライチェーンの多様化と強靭化を図る姿勢を明確にしました。
サイバー空間での脅威に対応する新たな対話も設立
さらに、サイバー空間での脅威に対応するため、両国の関係省庁による「サイバー政策対話」を新設することも申し合わせました。これにより、経済安全保障だけでなく、デジタル分野での協力も強化される見込みです。
今回の合意は、日カナダ間の戦略的パートナーシップを深化させ、国際情勢の変化に対応するための重要な一歩となりました。両国は今後、具体的な行動計画を策定し、協力関係をさらに発展させていくことになります。



