首相、イラン攻撃への法的判断を回避 日米関係への配慮が背景に
高市早苗首相は2026年3月2日の衆院予算委員会において、米国などによるイランへの軍事攻撃が国際法違反に該当するか否かについて、明確な法的評価を差し控える姿勢を示しました。参政党の吉川里奈氏からの質問に対し、首相は「これが自衛のための措置なのかどうかも含め詳細な情報を持ち合わせているわけではない」と述べ、情報不足を理由に判断を保留しました。
日米同盟を基軸とする外交安保政策のジレンマ
外交安保政策の基軸として日米同盟を掲げる日本政府は、同盟国である米国によるイラン攻撃への直接的な論評を避ける苦しい対応を迫られています。首相は答弁の中で、従来の政府方針を強調しつつも、法的な評価については慎重な姿勢を貫きました。
首相は同日の答弁で次のように述べています。
- 「イランによる核兵器開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場である」
- 「米イラン間の協議はイランの核問題解決のため極めて重要であり、我が国としてはこれを強く支持してきた」
- 「イランに対し核兵器開発や周辺国への攻撃を含む、地域を不安定化させる行動をやめるとともに、交渉を含む外交的解決を強く求める」
石油備蓄量は254日分 直ちの影響なしと政府
中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー安全保障への懸念に対し、首相は日本国内の石油備蓄量が現時点で254日分あると説明しました。また、木原稔官房長官も同日の記者会見で「石油需給に直ちに影響が生じるとの報告は受けていない」と述べ、当面の供給への影響は限定的との見解を示しました。
この対応は、国際社会における日本の立場の複雑さを浮き彫りにしています。同盟国への配慮と国際法に基づく原則的な立場の間で、政府はバランスを取る難しい判断を迫られているのです。今後の情勢の推移によっては、より明確な法的見解を示す必要性が高まる可能性もあります。



