フィジー国防相、太平洋地域の安定に向け日本の支援に期待 中国の動きに警戒感示す
太平洋島嶼国フィジーのピオ・ティコンドゥアンドゥア国防・退役軍人相が、読売新聞の書面インタビューに応じた。東京で22日に開幕する日・太平洋島嶼国国防相会合(JPIDD)に出席する予定で、日本との連携強化に強い意欲を示した。同時に、太平洋地域での影響力拡大を図る中国の動きに警戒感を表明し、地域の安定化に向けて日本の支援に大きな期待を寄せた。
実践的な協力分野を強調
国防相会合について、ティコンドゥアンドゥア氏は実践的な議論を望むと述べた。具体的には、海洋状況把握や災害救助、緊急対応における相互運用性の強化などを挙げた。装備だけでなく、訓練を通じて太平洋地域の優先事項に対処する方法について話し合いたいと強調した。
安全保障上の課題と地域の団結
太平洋地域の安全保障上の課題として、気候変動や災害リスクの高まりの中で戦略的競争が激化している点を指摘。この組み合わせが国家と地域の結束を脅かしていると述べた。また、国際犯罪、違法漁業、重要インフラの脆弱性といった脅威にも直面していると説明した。
フィジーは太平洋諸島フォーラム(PIF)の事務局を置く国として、地域の団結を支援する立場を強調。太平洋の意思決定を中心に据える地域安全保障の展望を支持すると語った。
フィジーの安全保障アプローチと日本との協力
フィジーは太平洋島嶼国で軍隊を有する3か国の一つであり、安全保障面では現実的なアプローチを重視している。海上監視、沿岸警備、機動性、災害対応、安全保障機関全体の共同運用を可能にするシステムを優先していると説明した。
日本との協力関係については、日本の政府安全保障能力強化支援(OSA)を高く評価。船舶や関連装備の提供を通じて、フィジーの監視、偵察、災害救援能力が強化されていると述べた。日本の支援は透明性があり、フィジーの優先事項と合致していると評価した。
今後、日本との協力を深化させたい分野として、以下の3点を挙げた:
- 海洋状況把握と情報共有
- 人道支援と災害救助の備え、物流支援
- 維持管理や人材育成
これにより、受け取る資産が効果的に機能し続けるようになると期待を示した。
中国の影響力拡大への対応と米国政策への見解
太平洋地域で影響力を強める中国の動きについて、ティコンドゥアンドゥア氏はフィジーの立場はシンプルだと述べた。中国を含む全てのパートナーと、フィジーの利益にかなう限り協力する一方で、フィジーの主権、民主主義制度、国家の意思決定を守っていく方針を強調した。
米国のトランプ政権の政策については、安全保障や災害対応などを含む米国との長年の協力関係を重視すると述べた。しかし、米国の戦略が西半球に重点を置くようになれば、太平洋のパートナーがインド太平洋地域における米国の持続的な関与について明確な説明を求めるのは自然だと指摘した。高関税政策などが太平洋地域にも波及的な影響を及ぼす可能性があると懸念を示した。
大国間の勢力争いと日本の役割への期待
太平洋地域が大国間の勢力争いにさらされている状況について、戦略的競争が太平洋の国々にどちらかの側につくよう圧力をかけ、地域の合意形成を複雑化させる可能性があると述べた。
フィジーは「太平洋の統一性」を、画一性ではなく、主権、透明性、非強制性、太平洋の人々の利益のための意思決定といった共通の原則と定義。外部からの関与が地域の優先事項を分断するのではなく、支援するよう、地域のメカニズムと規範を強化すべきだと主張した。
不安定化する太平洋地域で期待される日本の役割として、日本は一貫性や実践性を示し、太平洋のリーダーシップを尊重することで、地域を安定化させる役割を果たせると期待を表明。訓練や持続的な支援を通じ、海上安全保障や執行能力、災害対応態勢、地域機関を支え続けてほしいと要請した。
JPIDDのような対話を通じた地域への関与を継続することも望んでおり、日本の安全保障協力が太平洋地域の優先事項やルールに基づく環境という地域の共通利益に整合するよう強く求めた。



