英国のシャバナ・マフムード内相は、アフリカ北東部のエリトリアが同国出身の有罪判決を受けた犯罪者と不法移民の受け入れに同意しなければ、同国民に対するビザ(査証)発給を全面的に停止する可能性があると警告した。これに対しエリトリアは強く反発した。
英国の警告と措置
マフムード氏の警告は、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、アンゴラ、ナミビアがここ数か月の間に、強制送還される自国出身の不法移民の受け入れに応じたことを受けたもの。マフムード氏はエリトリアに対し、同国出身の犯罪者と不法移民の強制送還に応じるよう求めている。
英内務省によると、2026年6月までの1年間に小型ボートで英国に到着した人々のうち、最も多かったのはエリトリア人だった。同省は、エリトリアが今年に入り、強制送還への協力を「突然」打ち切ったと非難している。
マフムード氏は、15日からエリトリア政府の当局者や代表者に対するビザの迅速発給サービスを停止し、同国外交官の移動にも制限を課すと発表した。ロンドンから60キロ以上離れる場合には、特別な許可が必要になる。
内相のメッセージ
マフムード氏は「エリトリアには、犯罪者や英国に滞在する権利のない人々の送還を受け入れる機会が十分にあった」と述べた。さらに「エリトリア政府へのメッセージは単純だ。自国民を引き取るか、国民の英国入国を全面的に禁止されるかだ」と警告した。
また、他の国々に対しても、強制送還への協力を拒否する場合には「ちゅうちょなく」措置を講じると表明した。
エリトリア側の反論
在英エリトリア大使館は、強制送還への協力を突然打ち切ったとの英国側の主張を否定した。大使館は声明で「エリトリアは、自国民の尊厳ある帰還について英国の関係当局に対し建設的な協議を繰り返し求めてきたが、英国側は有意義かつ適切な対話に応じる姿勢を全く示してこなかった」と述べた。
さらに、英政府がエリトリア政府を弱体化させるため、「難民認定制度を政治利用し、エリトリア人だと主張する者全員に一律に難民認定しようとしている」と非難した。大使館は、こうした政策が主に未成年のエリトリア人を英国に引き寄せる要因となっているほか、エリトリア人になりすました難民認定申請者も呼び込んでいると主張した。
また、「英国は2023年以降、エリトリア当局者にビザを1件も発給していない」と指摘し、マフムード氏の決定を「形ばかりの政治的パフォーマンスだ」と切り捨てた。
英内務省の最新統計によると、エリトリア人による難民申請の80%以上が認められている。エリトリアは、権威主義的なイサイアス・アフウェルキ大統領の下、世界で最も孤立した国の一つとなっている。1993年にエチオピアから独立して以来、一度も選挙を実施しておらず、若者には期限の定めのない兵役を課している。このため、多くの国民が亡命を求めている。