ドナルド・トランプ前米大統領は、ジョー・バイデン現大統領によるウクライナへの軍事・経済支援を「犯罪行為」と激しく非難し、もし2024年の大統領選挙で勝利した場合、バイデン氏を弾劾訴追する可能性を示唆した。トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「バイデンはウクライナに数十億ドルを送り、それを犯罪と呼ぶべきだ」と主張。さらに、「私が大統領に返り咲けば、議会は直ちにバイデンを弾劾するだろう」と述べた。
トランプ氏の主張の背景
トランプ氏は以前から、バイデン氏とその息子ハンター・バイデン氏のウクライナに関する疑惑を追及してきた。今回の発言は、バイデン政権がウクライナに対して総額約1130億ドル(約16兆円)の支援を承認したことを受けたもの。トランプ氏はこの支援が「無駄遣い」であり、米国の国益に反すると主張している。
共和党内の反応
トランプ氏の発言に対し、共和党内からも懸念の声が上がっている。上院共和党トップのミッチ・マコーネル氏は「ウクライナ支援は米国の安全保障に不可欠だ」と述べ、トランプ氏の見解を暗に批判。また、2024年大統領選への出馬を表明しているニッキー・ヘイリー元国連大使も「ロシアの侵略に対抗するウクライナを支援するのは正しいことだ」と語った。
バイデン政権の対応
バイデン政権はトランプ氏の発言について公式なコメントを避けているが、政権高官は「ウクライナ支援は超党派の支持を得ている」と指摘。実際、2023年2月のバイデン大統領のキーウ訪問では、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、追加支援を約束している。
2024年大統領選への影響
トランプ氏は共和党の大統領候補指名獲得に向けて支持率でリードしているが、今回の発言は中間層や穏健派の有権者を遠ざける可能性がある。一方、バイデン氏の支持率はウクライナ支援の長期化や経済不安から伸び悩んでおり、両氏の対決が本格化するにつれ、ウクライナ問題が選挙戦の主要争点となる見通しだ。
専門家の分析
政治アナリストのジェニファー・ルービン氏は「トランプ氏の弾劾示唆は、自身の弾劾経験を反映したものだ。しかし、実際に弾劾を行うには議会の過半数の支持が必要であり、現状では難しい」と分析。また、外交問題の専門家は「ウクライナ支援を巡る発言は、米国の国際的な信頼を損なう恐れがある」と警告している。



