佐賀・玄海町長が給与半減、ローカル5G事業破綻で「危険性見破れず」と陳謝
佐賀県玄海町が約10億5千万円の補助金を交付した高速・大容量の「ローカル5G」構築事業が、事業者の破産により停止した問題で、脇山伸太郎町長は2026年3月18日、責任を取り、月額給料(79万6千円)の2分の1を4月から4カ月間カットする考えなどを示しました。町議会の全員協議会で経緯を説明し、事業審査の不備を認めました。
事業停止の経緯と町長の陳謝
玄海町は「ヴルーヴ」(本社・東京)を高度化通信網を構築する事業者に選定し、2023年度に約4億9千万円、2024年度に5億6千万円の補助金を交付しました。しかし、2025年7月に同社と関連会社が破産手続き開始決定を受け、事業が停止しました。
脇山町長はこの日、町議会の全員協議会で事業停止に追い込まれた経緯を説明。人口減少を止めることが町の最大の課題だったとし、「この事業で雇用の場を創出し、地域振興を図ることができるという思いが強すぎ事業に潜む危険性を見破ることができなかった」と語りました。
反省点と組織的な課題
町長は反省点として、以下の点を挙げました。
- 事業者の身元・財務情報が乏しいまま判断したずさんな事前審査
- ヴルーヴ側の報告書不正発覚後、警察からの箝口令で議会などへ相談できなかった対応の不備
- トップダウンで事業を進め、担当課の調査・検討が不足した組織的な課題
その上で、ボトムアップ型の意思決定への転換を図るなど、副町長をトップにした検討組織を設置することを説明しました。
給与カットの理由と今後の対応
給料カットで責任を取る理由として、脇山町長は「町民の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけし、心よりおわびする。今回の責任は直接的には事業者の倒産によるものだが、私の責任で事業者を信じ任せたもので、その責任を逃れるものではない」と述べました。
この問題は、地方自治体が先端技術導入を急ぐ中でのリスク管理の重要性を浮き彫りにしています。玄海町は今後、補助金の回収や事業再開の可能性について検討を進める方針です。



