京都市の宿泊税、上限が1000円から1万円に大幅引き上げ 全国最高額で観光公害対策強化
京都市宿泊税、上限1000円から1万円に大幅引き上げ

京都市の宿泊税が上限1万円に大幅引き上げ 全国最高額で観光公害対策を強化

京都市は、ホテルや旅館の利用者に課す宿泊税について、1人1泊あたりの上限額を従来の1000円から1万円に大幅に引き上げることを決定しました。この新たな定額制は全国で最高額となり、2026年度からの実施を予定しています。市は、増加する税収をオーバーツーリズム(観光公害)対策に充て、市民生活と観光の調和を目指す方針です。

税収倍増を見込み 観光客増加に伴う問題に対処

京都市は2018年10月に宿泊税を導入し、2024年度の税収は62億円、2025年度は59億円を記録しました。しかし、観光客の年々の増加に伴い、市バスの混雑が常態化したり、ゴミのポイ捨てなどの問題が表面化しています。これらの課題に対処するため、市は対策費の捻出を目的として上限額の引き上げを決断しました。

条例改正を経て、総務大臣が昨年10月に引き上げに同意し、税額区分も従来の3段階から5段階に変更されます。最少徴収額の200円は据え置かれますが、対象となる宿泊料金は1泊2万円未満から6000円未満までに大幅に引き下げられます。上限については、1泊10万円以上の宿泊に対して1万円を課すことになります。修学旅行生と引率者への免除は継続され、2026年度の税収は従来の2倍以上の132億円を見込んでいます。

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税収活用で観光マナー向上と文化財保護を推進

市は、得られた税収を以下の用途に充てる2026年度予算案を議会に提出しています:

  • 観光マナーの啓発活動
  • 文化財補助制度の充実
  • 京町家の支援強化

これにより、観光客の増加による負担を軽減しつつ、京都の伝統的な景観や文化を守る取り組みを強化します。

宿泊施設や駅で準備進む 情報周知に努める

市内の主要駅や宿泊施設では、2月下旬から宿泊税の引き上げに向けた準備が進められています。京都駅では、引き上げ後の税額区分を周知する大型掲示物やデジタルサイネージ(電子看板)が設置されました。また、宿泊施設や観光案内所には、市がチラシやポスターを配布し、新たな税額区分の適用に備えています。

西京区の「星のや京都」では、精算時の混乱を防ぐため、予約システム内で引き上げた宿泊税を適用し、チェックイン時の案内準備を進めてきました。秋元健・総支配人は、「多くのお客様は宿泊税の値上げを認知されていない印象がある。お客様に分かりやすい情報を伝え、京都の魅力を取り入れたサービスを提供していく」と語りました。

全国で宿泊税導入の動き広がる 京都市が先駆け

総務省によると、全国で宿泊税を導入している自治体は、2026年2月13日時点で京都市を含む19自治体です。観光客の増加に合わせて、新設を目指す動きが各地で広がっており、4月以降は新たに35自治体で課税が始まる見通しです。京都市の今回の大幅引き上げは、こうした潮流の中で先駆的な事例となり、他の地域にも影響を与える可能性があります。

この措置は、観光公害対策としての効果が期待される一方で、宿泊客への負担増という課題も残しています。市は、税収を適切に活用することで、持続可能な観光の発展と市民生活の質の向上を両立させていく方針です。

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