静岡県裾野市で4日に投開票された市議選は、定数19に対し26人が立候補する近年まれにみる激戦となった。その中で、被選挙権を得たばかりの25歳の新人2人が初当選を果たした。
同中学出身のZ世代2人が初当選
当選したのは、ともに無所属の杉山慎太郎氏と星野大海氏。2人はどちらも2001年生まれのZ世代で、同じ中学校で学んだ間柄だ。早生まれの星野氏が学年は上だという。
4日午後10時半の2回目の開票速報で、杉山氏は1千票に届き上位5人に入った。新顔ではトップの得票だ。事務所で支持者らと談笑しながらもそわそわしていたが、思わず「よしっ!」とこぶしを握りしめ、周囲を驚かせた。当選祝いのセレモニーでは「思っていた以上の多大な期待をいただいた。これからの4年間、全力で取り組む」と意気込んだ。
星野氏も2回目の速報で当選圏内の700票に届いた。確信が持てないでいたが、3回目の速報でさらに100票を積み上げ、笑顔が出た。支持者から「大事なのはこれからだぞ!」と声がかかり、「地元のこと、裾野市のことをしっかりやりたい」と決意を述べた。
政治を志したそれぞれの理由
たまたま同時に選挙に出た2人だが、政治を志したのは別々だった。
杉山氏は高校生のころから政治への憧れを抱き、大学時代には国会議員の事務所でインターンをした。「政治は世の中のルールを決める仕事。権限が大きくて責任も重い」と関心を深めた。家族と一緒に過ごした家は山村にあり、周囲では少子高齢化が進んでいる。母校の小学校は昨年春に閉校になり、「地元のために働きたい」と市議選への立候補を決意した。
星野氏は大学で政治について学んだ。「日本社会は停滞が続き、『失われた何十年』と言われる。自分が生きていく時代は、自分で何とかしたいと思った」。大学卒業後、トラックドライバーとして働きながら選挙に出るための資金をためたという。
支持者の共感と「なり手不足」脱却の背景
支持者の男性は「若者が選挙に行かないのは悔しい」という言葉を星野氏から聞いた。「私もそう思っていたので共感して、応援することに決めた」と話す。
人口減少に伴い、全国の地方では議員の「なり手不足」が課題となる中、今回の裾野市議選では様々な職業や経歴を持つ新顔12人が名乗りを上げ、活発な選挙戦を展開した。人口4万8千人の同市にはサファリパークやスキー場などの観光スポットが点在し、トヨタ自動車の実験都市「ウーブン・シティ」があることでも知られる。