米Netflixは7月16日(現地時間)、2025年第2四半期(4~6月期)の決算発表に合わせて公開した株主向け書簡で、コンテンツ制作におけるパートナーの生成AI活用が急速に拡大しており、2026年に生成AIワークフローを使用した作品は約300本に上ると明らかにした。最も活用が集中しているのはポストプロダクション(撮影後の編集・仕上げ)工程という。
AIツールで高品質な出力を迅速かつ低コストに実現
同社はAIツールによって、従来手作業を要する高品質な出力を、迅速かつ低コストで実現できていると説明。AIの活用がなければ、重要なショットやシーンの制作を断念せざるを得なかった作品もあるという。具体例として、インドのクライムサスペンス作品「Glory」(原題「グローリー」)や、米国のドキュメンタリーシリーズ「The American Experiment」(原題「アメリカン・エクスペリメント 建国250年に想う」)を挙げ、群衆シーンや歴史上の戦闘シーンなどの複雑なシーンの制作にAIを活用したと述べている。
CEO「従来の2倍の速度、半額のコストで制作」
決算発表後の電話会見で、テッド・サランドス共同CEOは、「The American Experiment」にはAIで強化した映像が17分含まれ、従来手作業の2倍の速度、半額のコストで制作できたと説明。これにより「従来では実現できなかった形でシリーズの規模を拡大できた」と述べた。サランドス氏は「偉大な作品を作るには偉大なアーティストが必要であり、AIがそれを変えることはない」とし、AIによるコスト削減分は制作費の圧縮ではなく、コンテンツへの再投資に回る可能性が高いとの見方を示した。
コンテンツ制作以外でもAI活用が拡大
コンテンツ制作以外でもAI活用は広がっている。作品との出会い(タイトルディスカバリー)の改善や会員の好みの理解にLLMを活用しているほか、音声検索やAIによる自然言語検索も導入を進めている。広告事業では、第2四半期にプランニングやクリエイティブ制作からキャンペーン管理、最適化、レポーティングまで、広告ライフサイクル全体にAIツールを拡大したという。
第2四半期決算は増収増益、通期見通しも上方修正
同社の第2四半期の売上高は前年同期比13%増の125億5900万ドル、純利益は34億100万ドル(1株当たり0.80ドル、前年同期は0.72ドル)だった。2026年上半期の総視聴時間は前年同期比2%増の970億時間超。第3四半期は売上高128億6000万ドル(前年同期比11.7%増)、営業利益率33.2%を見込み、通期売上高予想は510億~514億ドルに引き上げられた。



