いすゞが横浜市学童クラブ向けに「南極講話会」を開催、南極の氷の実験も実施
いすゞが横浜市学童クラブ向け「南極講話会」を開催

いすゞ自動車は横浜市学童クラブ向けの夏休みプログラム「南極講話会」を8月4日・5日に横濱ゲートタワーで開催した。南極の知識や現地での暮らしぶりを伝える講演に加え、南極の氷を使った実験も実施された。

いすゞがプログラムに込めた思い

1956年の第1次南極観測隊から数えて今年で70年。いすゞ自動車は毎年社員を派遣し、長年にわたって南極観測隊を支えてきた。現在、昭和基地で使われているトラックや雪上車、ブルドーザー、ショベルカー、フォークリフトなど、全ての車両がいすゞ製となっている。

いすゞが毎年開催しているのが、横浜市学童クラブ向けの夏休みプログラム「南極講話会」だ。実際に南極観測隊として現地へ赴いたOB社員が講師を務め、リアルな南極の実態を学べる点が特徴となっている。

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今回、メイン講師を務めたいすゞPT実験第二部の福本新二さんは、プログラムの狙いについて「南極は手つかずの自然が残された地球で唯一の場所であり、地球で起こっている異常気象や温暖化などを解決するためのヒントとなるのが南極観測です。そうした事実を子供たちに知ってもらいたい」と語った。

過去に2回、南極観測隊に参加した福本さんは、「私は学者ではなく、自動車会社に勤める整備士ですが、南極の地を踏みました。南極ではいろいろな職業の人が働いています。プログラムに参加して南極に興味を持ってくれた子供たちがそのことを理解して、いつか南極を目指してくれたら嬉しいですね」と話した。

子供たちが楽しく南極を学ぶ

プログラムの開始に先駆けて登壇したいすゞ社長の山口真宏さんは、「いすゞ自動車は1956年から南極観測隊の『運ぶ』を支えてきました。今日は実際に南極へ行って、いろいろな経験をしてくれた方が、どんな動物がいるのか、どれくらい寒いのか、どんなことをしているのかなど、さまざまな話をしてくれます。ぜひ南極について学んでもらえればと思います。そのお話をたくさん聞いて、皆さんの新しい興味につながったり、これからこんなことをしてみたいと感じてもらえるいい機会になれば大変嬉しいです」と子供たちにメッセージを送った。

約60分の「南極講話会」の内容は、基本的な南極の知識から始まり、昭和基地の構成やそこでの観測隊員たちの暮らし、観測隊員やサポートする人たちの仕事の紹介、南極で暮らす動物たち、南極の不思議な自然現象など多岐にわたる。

子供たちにとっては学校の授業よりも長い約60分のプログラムとなるため、ただ講義するだけでは最後まで集中力が続かないかもしれない。そこで、途中で笑いの要素を取り入れたり、クイズを出題して回答してもらうなど、子供たちを飽きさせない工夫が随所に盛り込まれていた。福本さんによれば、これまでの開催を通して課題を洗い出し、工夫を重ねた結果、こうした形式になっていったという。

サポートメンバーのひとりとして参加したPT実験第二部の白濱政典さんが、第53次南極観測隊のメンバーとして得た経験を語る場面もあった。

講演の最後に福本さんは、「地球は今、温暖化による異常気象や大気汚染など、多くの問題を抱えています。観測隊は地球の未来を予測するため、南極の今と過去を知るために、今日も南極を調べています。これが地球の問題を解決するヒントになることを知ってもらえたと思います。今日の話を聞いて、興味を持ってもらえたり、行ってみたいと思ってもらえていたら嬉しいです。未来の地球を救うのは、君たちだ」とメッセージを送った。

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南極の氷を使った実験

講演パートを終えると、観測隊メンバーが持ち帰った南極の氷を使った実験が行われた。南極の氷は、長い年月をかけて降り積もった雪が圧縮されてできるので、氷の中に空気の粒が内包されている。そのため、水の中に入れて氷を溶かすと、1万年~2万年前の空気が溶け出し、炭酸が弾けるような音が聞こえるという。

コップに南極の氷と水を入れて子供たちに手渡すと、コップに向かって耳を澄ませる子供たちの姿が見られた。古の空気が奏でる音を味わうのは、他では得難い貴重な体験になったはずだ。なかには聞くだけではなく、匂いを嗅ぐ子供の姿も見られた。

他にも、会場には南極の石も展示されており、子供たちの関心を集めていた。第39次、第43次、第49次の観測隊メンバーとして3回南極に向かったPT実験第二部の半田英男さんが南極の石について子供たちに説明し、子供たちは直接触るなどして南極の石を体験した。

その後、子供たちはいすゞからのお土産を受け取り、最後にプラネタリウムを鑑賞して全てのプログラムが終了した。