福岡県議会で17日、副議長選が行われる。議長・副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑の渦中にある中で、大金を要求した人物として名指しされた自民党の中尾正幸氏の議員辞職により空白となった議席を巡り、これまで「出来レース」だった選挙の行方は不透明だ。議会内には緊張感が漂っている。
疑惑の発端と相次ぐ証言
疑惑の発端は元議長の吉松源昭議員の証言だが、その後、副議長経験者からも同様の証言が出た。第1会派・自民県議団(40人)の江藤秀之議員は、就任前に500万円を自民県議団の幹部に支払ったと証言。民主会派の副議長経験者も同じく500万円を支払ったと朝日新聞の取材に明かした。
一方、自民幹部は疑惑を否定している。中尾正幸・前副議長も「事実無根」と繰り返していたが、「県民の信頼が大きく損なわれている」として、議員辞職した。
異例の名乗りと自民内の動き
県議会事務局によると、副議長選は立候補制ではなく、各議員による無記名投票制。ただ、複数の議員が、誰が副議長になるかは水面下で決まっていたと証言する。2025年に中尾氏が選ばれた副議長選は、無効票3票を除く81票全てが中尾氏に投じられた。
今回の副議長選にいち早く名乗りを上げたのが、無所属議員でつくる第四会派の新政会(6人)の椛島徳博会長だ。椛島氏は14日、朝日新聞の取材に「密室で決まっていた今までの選挙では、県民に失望される。開かれた形で候補者が目指す姿を表明してから投票すべきだ」と話した。16日に報道陣を前に所信表明を行うという。
副議長に就くのは自民議員が多く、自民内に候補がいない場合に第2会派の民主県政県議団(20人)から人を出していた。新政会が副議長選挙に名乗りを上げるのは23年の会派結成以降初めて。前身の緑友会でも10年が最後だ。
椛島氏は、決断の背景に、民主が副議長を出すかどうかはっきりしないことも影響したと明かす。
自民の体制立て直しと民主の対応
自民県議団は、金銭授受疑惑にくわえ、熊本地震発災の夜に会長が政治資金パーティーを開催したことが批判の的に。辞任した会長の後任として当選3回と若手の渡辺勝将会長を選ぶなど体制の立て直しを急ぐ。
渡辺氏は会長に選出された10日、「第1会派である自民党として副議長を出すべきだ」と明言した。16日の議員総会で候補を決める予定という。渡辺氏は「いままでは自民の中である程度の候補者を絞って活動したという現実があるが、今回は期ごとに意欲のある方がいるか要望してもらう」とし、県議団内で異例の選挙をする考えだ。重鎮らからなる県議団役員の顔ぶれも一新する方針を示している。
一方の民主は、14日時点で副議長を出すかどうかについて会派内の意見がまとまっていない。原中誠志会長は4日、会派総会で「取りに行きたい」と述べたが、その後軌道修正したとみられる。



