山口県は15日、土地取引の指標となる県内の基準地価(7月1日時点、県内19市町395地点)を発表した。地価の動向を示す平均変動率で、住宅地では27年続いた下落から横ばいに転じた。商業地は0.2%で2年連続の上昇となり、上がり幅は0.1ポイント大きくなった。
住宅地の平均価格は2万6600円
住宅地の1平方メートル当たりの平均価格は2万6600円で、前年より300円上がった。全国順位は前年と同じ34位。最高価格はJR新下関駅近くでマンションが点在する「下関市秋根本町1―2―23」の8万7000円で、上位9地点の順位は前年と同じだった。
変動率が最も高いのは大型商業施設に近い「岩国市南岩国町3―23―56」で、3.5%上がった。市町別の変動率は防府市が1.1%でトップとなり、同じく1%の和木町、下松市が続いた。下がり幅は上関町のマイナス3.4%が最大で、周防大島町の同2.3%、阿武町の同1.3%の順だった。
商業地は再開発エリアが好調
商業地の1平方メートル当たりの平均価格は4万5500円で、前年より500円上がった。全国順位は40位で前年と同じだった。最も高かったのは、国道沿いに小売店やスーパーが並ぶ「岩国市麻里布町2―9―24」で14万5000円。上位7地点まで前年と同じ順位となっている。
最も上昇したのはJR新山口駅前の「山口市小郡明治2―7―24」で、再開発を追い風に3.4%伸びた。市町別では防府、周南市が1.3%で同率トップ、宇部市が1.2%で3位だった。下落率は上関町がマイナス3.3%と落ち込み、周防大島町の同2.9%、阿武町の同1.9%の並びだった。
山陽側の主要な市では、商業施設が近いなど利便性が高い中心市街地で上昇が目立っている。一方、山陰側や、山陽側の旧町村地域では下落が続いており、二極化が進んでいる。
専門家は「地価上昇は当面続く」と指摘
客足や観光需要が回復しており、調査地点の約50%で上昇している。駅周辺の再開発エリアが好調な一方、既存の商店街や繁華街は伸び悩んでいる。
調査に関わった県地価調査代表幹事の藤井正隆・不動産鑑定士は「デフレからインフレ経済へと移行したとみられ、地価上昇は当面続くだろう。今後は物価高や金利上昇による需要への影響に注目が必要だ」と指摘した。
また、大丸下関店(下関市)が来年8月末に閉店することの影響については、「一時的な下押し圧力になり得るが、駅直結の一等地が有するポテンシャルが損なわれるものではない」と分析した。



