大阪都構想、東京の都区制度に活路は開けるか 首長アンケートで見えた課題
大阪都構想、東京の都区制度に活路は開けるか 首長アンケ

産経新聞は、大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」構想などに関連し、東京都と23区の首長を対象にしたアンケートを実施した。広域行政課題への対応を巡っては、都と特別区の「都区制度」に問題はないとの回答が計9割を超えた。一方、住民ニーズに応じた行政サービスの提供には、自治体間の連携や調整が必要との意見が出た。

都区制度の現状と首長の認識

アンケートでは、住民ニーズや時代の要請に応じ、効果的に行政サービスを提供する上で望ましい行政機構のあり方を問うた。大半の首長は、自治制度について「それぞれの地域特性に応じて選択されるべき」とした。

一方、一部の区からは、持続可能な自治体運営を実現するため「広域自治体と基礎自治体の役割分担や行政機構の枠組みを、地域の実情に合わせて柔軟に設計する必要がある」との意見や、「区と都の『二重行政』にならないために、大きな視点での政策協議が必要」といった指摘が出た。

大阪都構想の課題と都区制度の比較

広域自治体と基礎自治体の連携については、都構想の制度案を作る大阪府市の法定協議会でも論点になっている。まちづくりに関する基本的な方針では、広域的な拠点の開発は広域自治体の府が主導するとした上で、府と特別区が新たな協議体を設置し、都市計画と地域特性の両立を図ることとした。

大阪府市の法定協議会は18日、大阪市北区の大阪市役所で開かれた。横山英幸市長(維新代表代行)は「(府と特別区の)事務の所管はそれぞれ分かれるものの、しっかり連携しながらやっていく」と強調する。

東京一極集中是正への道筋

東京都と大阪府はほぼ同じ面積であるものの、人口や、経済規模を示す「域内総生産」に差があり、維新は府の副首都指定を通じ、経済成長とともに東京一極集中の是正を目指している。その過程で、なぜ維新は、過去2回否決されている都構想の実現にこだわるのか。

前東京都中野区長の田中大輔氏は東京と大阪の都市構造の違いに着目する。東京では「首都圏」の圏域整備を国が構想。東京都が、政治や行政、司法などの首都機能を集中させた都心部に向かって交通網を整備し、周辺の新宿や渋谷などが「副都心」を形成している。

一方、大阪では、府の面積の約1割に過ぎない大阪市のうち、中心部に都市機能が集中し、府全体における交通機能や都市集積の配置が最適化できていないという。田中氏は「副首都としての圏域整備を目指す場合、大阪市だけでは狭すぎる。府全体に広げなければ、大阪市内の経済格差もなくならないし、西日本の発展にもつながらない」と指摘。「東京と同様、広域自治体である府が圏域整備の権限を持ち、大阪市を特別区に再編することが不可欠だ」と強調した。