「大阪都構想」の制度案を作る法定協議会は、初会合(6月12日)からまもなく3か月となる。最大の焦点だった区割りは早々と「4区」に決定し、9日の会合では大阪府と特別区の「事務分担」も固まったが、住民投票への機運が盛り上がっているとは言いがたい。12月上旬に予定される制度案の取りまとめに向け、残る課題でどんな議論が交わされるかが注目される。
「スピード決着」で進む協議
「維新の議員や府・市の職員と意見交換やヒアリングを重ね、充実した議論ができている。(後半も)しっかりと議論を進めたい」。吉村洋文知事(大阪維新の会代表)は大阪市役所で開かれた9日の法定協終了後、記者団にそう述べた。
3回目の住民投票に向けた法定協は、9日までに計8回開かれた。大阪市の24行政区をいくつの特別区に、どのような組み合わせで再編するかという区割りは、8月7日の5回目の会合で「4区」(1特別区あたり53万~88万人)に決定。2020年の前回住民投票で否決された制度案と同じ区数で、前回は法定協の初会合から区割りの絞り込みまで約8か月かかったが、今回は約2か月という「スピード決着」だった。
前回の住民投票時は、法定協で維新と自民党の委員が対立し、議論の行方が注目を集めた。しかし、今回は都構想に反対する自民、公明両党の議員が不参加で、維新のみで協議が進んでいる。市内選出のある維新府議は「前回は市民から賛否両論の意見をもらったが、今回は全くない」と話す。
維新は毎月11日を「副首都・都構想デー」として、今月から街頭で所属議員が一斉アピールする予定だ。維新市議の一人は「世間の機運が全然高まっていない中でやるのはしんどい」とぼやいた。
残る課題は特別区の名称と議員定数
制度案の取りまとめまで残り3か月。関心を集めそうなのが、特別区の名称や区議会議員の定数だ。
名称については、8月7日の法定協で維新委員が「『大阪市』の3文字を含めるのがいいのではないか。慣れ親しんだ名前を引き続き使ってもらうのが大事だ」と提案した。
前回の住民投票では、4特別区の名称は「北」「中央」「淀川」「天王寺」とされた。今回、維新内には「市の廃止に抵抗感がある住民に配慮すべきだ」として、区名を「大阪市中央区」などとする案を推す声がある一方、「混乱の元だ」と否定的な意見もある。
区議定数「70」で議論進む
議員定数については、4特別区の区議の総数を、来春の大阪市議選で適用される定数と同じ「70」とする方向で議論が進んでいる。
維新はこれまで府・市両議会で「身を切る改革」を掲げて定数削減に取り組んできたため、区議を増やしづらいという事情がある。ただし、1特別区当たりの区議は平均18人で、東京都で最も人口の少ない千代田区(約7万人、区議会定数25)をも下回ることになる。「70」で決まった場合、住民投票で有権者の賛否が分かれる可能性がある。



