青森公立大学(青森市)は、県内の企業や官公庁を学生に知ってもらう「県内企業バスツアー」を実施している。毎年半数以上の学生が県外に流出する現状を受け、大学側は「県内就職の利点も知り、広い視野で就職先を選んでほしい」と期待を寄せている。
バスツアーの概要と訪問先
この取り組みは2015年度から始まり、今年度で12回目となる。11月20日までに青森市、八戸市、弘前市、五所川原市で12コースを回り、各回3か所の企業や官公庁などを訪問する予定だ。
5日には、青森市内の金融・保険関連3社を学生約20人が訪問した。東京海上日動火災保険の青森支店では、若手社員から就職活動の方法や入社後の業務内容、社内の雰囲気について詳しい説明を受けた。同社には、採用時に社員が働くエリアを選べる制度があり、県内で働き続けたいという社員の要望に応えている。
卒業生の県内就職率の現状
青森公立大を卒業し、今年4月に入社した女性社員(23)は「自分で足を運んで納得したうえで、長く働ける会社を選んでほしい」と後輩にアドバイスする。
青森公立大卒業生の県内就職率は、近年40%を下回る水準が続いている。今年3月に卒業した就職決定者267人のうち、県内に本社を置く企業や官公庁などに就職したのは99人で、37.1%にとどまった。一方、実際の勤務地を基準に算出した県内就職率は44.9%だった。
今後の展望
青森公立大就職チームリーダーの一町田学さん(44)によると、都会で活躍したい学生と、地元に定着したい学生の二極化が進んでいるという。一町田さんは「青森の大学で学んでいても、地元企業のことをあまり知らないケースが多い。このバスツアーで就職先を選ぶ際の価値観を広げてもらいたい」と話している。