防衛省・自衛隊は「世界一、無人アセット(装備品)を駆使する組織」(小泉進次郎防衛相)への変革を掲げ、無人機を駆使した「新しい戦い方」への転換を急ピッチで進めている。ウクライナ戦争を契機に世界で大きく変容する「戦い方」に対応するためだ。
陸自、攻撃型ドローンを初公開
9月2日、陸上自衛隊は宮城県の王城寺原演習場で、攻撃型ドローン(無人機)を初めて公開した。折りたたみ傘ほどの大きさの豪州製「ドローン40」は、カメラや弾薬を搭載でき、スマートフォンで操作する。
陸自幹部は「カメラ搭載の1機目が敵の車両や部隊を捜索し狙いを定め、次に弾薬を積んだ2機目が機体ごとアタックして自爆する」と語る。
海自、艦載型無人機の訓練を初公開
海上自衛隊も6月下旬、艦載型無人機「VBAT」の訓練を初公開した。全長約2.9メートル、幅約3.8メートル。12時間にわたって連続飛行ができ、先端部分の赤外線カメラで昼夜を問わず警戒監視が可能だ。
訓練では相模湾を航行する護衛艦の甲板上から、ロケットのように垂直に離着陸を繰り返した。海自幹部は「有人の艦載ヘリコプターの代わりができ、省人化を図ることができる」と利点を説明した。
空自、大型無人機の活用を検討
航空自衛隊は今年度から、領空侵犯の恐れがある外国機へのスクランブル(緊急発進)対応をめぐり、大型無人機「シーガーディアン」の活用について検討を始めている。
森田雄博・航空幕僚長は「近年、中国の無人機による活動活発化などが見られる中、費用対効果の観点なども含め、対処の実効性をより一層向上させる」と述べた。
自衛隊はこれまで、有人による対応を原則としてきた。無人機を駆使した「新しい戦い方」への転換を図る背景には、ウクライナや中東で、安価なドローンが大量投入され、高価な武器を破壊する「非対称戦」が繰り広げられていることがある。
8月末に締め切られた防衛省の来年度予算の概算要求は、ドローンの開発・活用が大きな柱だ。防衛省・自衛隊は、安価で、長距離飛行が可能な国産の攻撃用無人機(UAV)の開発を進めている。また、極超音速誘導弾といった長距離ミサイルや魚雷などの攻撃機能を無人潜水機(UUV)に付与する研究を進める。



