ASUSシー会長が語るAI時代にエンジニアが変えてはいけないものとは?
ASUSシー会長が語るAI時代にエンジニアが変えてはいけないもの

ASUS JAPANは法人向けPC市場に本格参入し、日本市場におけるNo.1を目指すことを宣言した。No.1を獲得するために同社が重視する戦略について、ASUS JAPAN代表取締役社長のアルビン・チェン氏に聞いた。さらに、同席したASUSTeK Computerのジョニー・シー会長に、20代から30代のエンジニアに向けて「今やっておくべきこと」を示唆してもらった。

AI時代にエンジニアが変えるべきことと変えてはいけないこと

シー会長は、AI時代におけるエンジニアの役割について、「思考はアウトソースできても、理解はできない」と述べ、エンジニアが学び続け、最先端の立場にあり続けることの重要性を強調した。エンジニア自身が成長するためのヒントを語った。

また、同氏は「すべては人から始まる」というミッションを掲げ、事業のすべてを人を中心に進めていると説明。イノベーションで人々の暮らしを豊かにし、体験をよりシンプルにし、価値を生み出すべきだと考えているという。

法人向けPC市場への本格参入とNo.1の定義

チェン社長は、No.1という言葉には目指すべき方向性が3つあるとし、最も優先順位が高いのは品質でNo.1になること、2番目はお客さまからの信頼でNo.1になること、3番目は市場シェアにおいてNo.1になることだと語った。短期利益を追い求めることはせず、長期的なメリットを重視する経営を進めている。

法人向けノートPC市場への本格参入では、単に高品質・高性能な製品を投入するだけでなく、包括的なエコシステムによって事業を推進する体制を構築した。すべての法人ユーザーに対して365日対応のコールセンターサポートを提供し、法人向けPCを販売パートナーに出荷する前には日本国内において追加で品質検査を実施する。

実際にパッケージを開封し、外観や付属品の確認をし、電源を入れて動作確認も行う。出荷台数が増加し続けても、製品品質の維持については妥協しない。そのほかにも、法人ユーザーの要望に合わせた仕様のカスタマイズや、導入企業向けのオンサイトサービス、最長6年間の保証サービス、サンプル貸出プログラムの提供のほか、簡易トラブルシューティングツールやIT管理者向けのマネジメントツールも提供する。

「ExpertBook Ultra」の開発と日本市場への最適化

2026年6月に発表した法人向けPC「ASUS ExpertBook Ultra」も、人を起点にしてモノ作りを進めた製品だ。社内で最も優秀なエンジニアに開発プロジェクトに参加してもらい、最先端のエンジニアリングやデザインシンキングの考え方を基にしたモノ作りを行った。

その成果の一つとして強調できるのが、法人ユーザーが求める信頼性を実現した点だ。法人向けPCには個人向けPCとは異なる耐久性が求められる。また、AIを活用するための高い性能や、高い生産性を実現するための工夫も必要で、長時間のバッテリー駆動、堅牢性に優れたものが求められる。

日本市場には独自のニーズがあり、日本のユーザーが求める堅牢さ、高い性能、そして機能美を、エンジニア自身が肌で感じて作り上げたのがExpertBook Ultraである。日本側にも優れたビジネスリーダーがおり、エンジニアと緊密に連携するだけでなく、熱い議論を戦わせながらモノ作りを進めた。市場調査のデータを見るだけでなく、エンジニア自身が日本を訪れ、日本ではどのような使われ方をしているのかを体験することも大切だという。

フラッグシップモデルの仕様と今後の展望

ExpertBook Ultraは、8コア8スレッドのIntel Core Ultra 5 325を採用したハイパフォーマンスな14型ビジネスノートPCで、最薄部は約10.9mmを実現し、最軽量モデルでは約990gの軽量ボディーを達成した。マグネシウムとアルミニウムの合金を使用することで堅牢なボディーを実現したのに加え、CorningのGorilla MatteとGorilla Glass Victusを組み合わせたディスプレイによって高い耐久性を実現しており、過酷なビジネスシーンでも安心して持ち運ぶことができる。

コンセプトは「The Flagship of The Industry. Period.(ビジネスの頂点を、次の次元へ。)」であり、AI時代のビジネスを支える最高峰のモバイルノートPCを目指している。

シー会長は「最先端のエンジニアリングやデザインシンキングの実現」を掲げても、これがスローガンで終わっては意味がないとし、実行することが重要であり、経営陣から社員までが日々、挑戦をし続けることが社内に浸透していると語った。これが同社の成長につながっているという。