ロシア下院選、与党が7割超の議席獲得へ…侵略を信任とアピール
ロシア下院選、与党が7割超の議席獲得へ…侵略信任とアピール

ロシアで実施された下院選(定数450、任期5年)は20日に投票が締め切られ、即日開票の結果、プーチン政権与党「統一ロシア」が圧勝した。中央選挙管理委員会が21日に発表した中間集計(開票率約95%)によると、統一ロシアは7割超の議席を獲得する見通しで、政権はウクライナ侵略について「国民の信任を得た」とアピールしていくとみられる。

比例・小選挙区で圧倒

比例代表と小選挙区でそれぞれ225議席ずつを決める今回の選挙で、統一ロシアの比例選での得票率は58%、小選挙区では208議席を獲得する見込み。改選前の310議席から45議席前後の増加となる。第2党の共産党は議席を約15議席減らす見通しだ。投票率は59%で、2021年の前回選を8ポイント上回った。

政権側の成果と指摘

統一ロシア党首のドミトリー・メドベージェフ前大統領は20日夜、モスクワ市内で開いた集会で「国民は統一ロシアに対する信頼を維持し、今後も国の統治を委ねられると考えている」と主張した。タス通信によると、統一ロシア幹部は、軍事作戦に参加した兵士約50人が下院選で当選する見込みだと明かした。議席を獲得した野党も侵略を支持しており、議会で戦闘継続を後押しする機運が一段と高まる可能性がある。

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しかし今回の下院選は、反戦を唯一掲げた改革派野党「ヤブロコ」が比例選から排除され、小選挙区でも約3割の候補が出馬を取り消された。モスクワで有権者に聞くと、比例選で統一ロシア以外の政党に投票したという法律事務所で働く女性(28)は「統一ロシアに入れないことが、戦争を支持しない意思表示だった」と語り、不動産業の男性(49)は「投票先にヤブロコがなかったため棄権した」と話した。

専門家の見方

今回の下院選について、カーネギー財団ロシア・ユーラシアセンターのタチアナ・スタノバヤ上級研究員は「戦争終結を求める世論は高まっている。(政権は)選挙でそれを巧妙に隠した」と述べ、民意を反映していないと指摘した。法政大教授の油本真理氏(ロシア政治)は、中央選管の暫定集計で統一ロシアの得票率、投票率ともに前回を上回ったことについて、プーチン大統領自身が選挙参加を「ロシアの勝利への貢献」と位置づけて投票を呼びかけるなど、政権側がとくに投票率を重視していたとみられ、政権側にとって一定の成果といえる結果だと分析した。

その上で油本氏は、この選挙結果からどの程度の国民が軍事作戦や政権を支持しているか直接読み取ることは難しく、行政や企業を通じた組織的な投票動員や、反戦を訴える唯一の政党の比例選参加が認められなかったことで競争の範囲があらかじめ絞られていたと指摘。今回の結果はプーチン政権にとって軍事作戦を正当化する材料になりうるが、政権は否定しているものの兵員確保が課題となる中で追加動員の可能性も指摘されており、22年の部分動員が国民に不人気だったことを政権も熟知しているため、実際に追加動員に踏み切るかどうかは慎重に判断するとみられると述べた。

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