国連人権理事会が設置したイランに関する独立調査団は17日、米軍によるものとする2月のイラン南部の小学校などへの二つの空爆について、戦争犯罪にあたると信じる「合理的な根拠」があるとする報告書を発表した。イラン政府による弾圧についても「人道に対する罪」にあたる根拠があるとした。
2月の空爆で子ども約120人含む150人以上が死亡
報告書によると、2月28日の南部ミナブの小学校への攻撃では、子ども約120人を含む150人以上の民間人が死亡。同じ日の南部ラメルドのスポーツ施設や住宅地への攻撃では民間人22人が死亡した。
調査団は、民間施設であることが明白な学校を攻撃対象とし、軍事目標かどうか確認することを怠ったことや、人口密集地での無差別攻撃が戦争犯罪にあたるとした。
イラン政府の弾圧も「人道に対する罪」と指摘
イラン政府による反政府デモなどの弾圧では、全31州で治安部隊による抗議参加者らへの暴力があったと指摘。少なくとも子ども221人が死亡し、数万人が大規模な拘束で自由を奪われたとした。殺人や拘禁、拷問などが、民間人に対する広範かつ組織的な攻撃の一環として行われ、人道に対する罪にあたるとした。
ロイター通信によると、米ホワイトハウスの報道官は、国連人権理事会が「人権に関して何も成し遂げていない」と述べ、戦争犯罪を犯したのはイランだけだと主張した。
調査団は訴追権限持たず、各国の捜査に活用可能性
独立調査団は2022年9月に始まったイラン国内の抗議活動に関連した人権侵害の疑いを調査するため、22年11月に国連人権理事会が設置した。司法機関ではなく、訴追を行う権限はないが、調査結果は各国の司法機関などによる捜査や訴追に活用される可能性がある。



