国連総会、パンデミック対策宣言案が合意に至らず…米国が全面反対
国連総会、パンデミック対策宣言案が合意に至らず…米国が全面反対

国連総会で25日に開かれたパンデミック(感染症の世界的大流行)対策に関する政府高官級の会合で、対策をまとめた宣言案を採択する予定だったが、合意に達しなかった。ワクチンなどを途上国に配分する条項をめぐり、米国などが全面的に反対した。トランプ政権の「自国第一」の姿勢が、感染症対策の議論でも表面化した。

宣言案の目的と内容

宣言案の目的は、昨年採択された「パンデミック条約」の運用規則の制定に向け、国際的な協力をうながすことだ。ワクチンや治療薬などを途上国にも公平に供給する仕組みを設けることが盛り込まれていた。

米国とEUの反対

途上国への供給は、大手製薬企業がある米国や欧州諸国に新たな負担が生じかねない。25日の会合で、米国の代表は「国民の健康を守る一義的な責任は各国政府にある」と反対を表明。欧州連合(EU)も反対に回った。トランプ政権は世界保健機関(WHO)から脱退するなど、世界の感染症対策を軽視する傾向がある。

途上国の懸念と今後の見通し

一方、複数の途上国は26日に懸念を表明した。アフリカのエリトリアは「商業的利益が、人命を救う医薬品の入手を妨げるべきではない」との声明を発表した。

国連総会で今後も検討されるが、採択は見通せない状況だ。