ロシアによるウクライナ侵略は24日、2022年2月の開始から4年半を迎えた。前線の戦況は全体的に膠着状態が続く一方、双方は互いの経済インフラに対する長距離攻撃を強化しており、情勢は相手の国力自体を低下させて戦闘継続を断念させようとする「消耗戦」の様相を強めている。トランプ米政権が仲介する和平交渉も停滞し、戦闘終結の兆しはなお見えない。
「力の論理」が支配する新たな世界情勢
ウクライナ侵略は、東西冷戦後に確立された「ルールに基づく国際秩序」の概念を揺るがし、強国が武力で利益拡大を図る「力の論理」に支配された新たな世界情勢を現出させた。この戦争の帰趨は、ロシアや中国、北朝鮮など力を信奉する国々に囲まれた日本にも無関係ではない。
前線は膠着、双方が長距離攻撃を強化
前線の戦況では、露軍は主戦場のウクライナ東部ドネツク州で徐々に前進し、主要都市クラマトルスクやスラビャンスクを制圧して、目標とする同州全域の掌握につなげる構えだ。ウクライナ軍も強固な防衛線やドローン(無人機)の活用で露軍に損害を強い、南部ザポリージャ州方面では一定の反撃に成功した。過去数カ月間、戦況に劇的な変化はない。
前線での戦闘と並行して両国は過去数カ月間、相手国の経済を支えるエネルギー施設や物流拠点、港湾施設などへの攻撃を激化させてきた。製油所などが多数損傷したロシアではガソリン不足が深刻化。ウクライナでも電力などのエネルギー不足が慢性化している。攻撃の応酬で民間人の被害が急増している上、両国の経済損失は過去数カ月間だけで計数兆円規模に達するとの観測が強い。
露軍の死傷者140万人、和平交渉は中断
米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)は、侵攻開始から今年6月までの露軍の死傷者数を140万人、うち死者は最大45万人と推計。ウクライナ軍の死傷者数は52万5000~62万5000人、うち死者は12万5000~15万人と試算した。
和平交渉に関し、米露ウクライナは1月、初の3カ国高官協議を開催。2月中旬までに計3回の協議が行われたが、目立った進展はなかった。協議は2月末に始まった米イスラエルとイランの交戦を受け、中断されたままだ。



