ウクライナ外務省のオレクサンドル・カラセビチ事務次官が来日し、15日に朝日新聞のインタビューに応じた。ロシアのウクライナ侵攻について「侵略は最終的に処罰されるということを示さなければならない」と述べ、ウクライナと支援国が設置を目指す特別法廷について「国際的な正義を生かし続けるために非常に重要だ」と訴えた。
特別法廷設置へ前進
ウクライナや支援国は、2022年のウクライナ侵攻開始を決断したロシア指導部の「侵略犯罪」を裁く特別法廷の設置に向けて動いている。ロシアの戦争犯罪をめぐっては国際刑事裁判所(ICC)も捜査をしているが、管轄権の制約により、ロシアの侵攻そのものを対象とする侵略犯罪は裁くことができない。このため、25年に欧州諸国などが特別法廷の設置方針を承認し、準備が進められてきた。
カラセビチ氏は、「本来なら何十年もかかるプロセスをこの4年間で進め、設置にかなり近づいている」と語り、開廷は数年以内との見通しを示した。
指導者への訴追の道
ただ、特別法廷ではロシアのプーチン大統領など指導者らが現職の間は、起訴に向けた手続きが制限される。カラセビチ氏は「公職にも終わりがある。現在ロシア国内にとどまり、法廷から距離を置いている人物であっても裁く道はある」と話した。
ロシアによる08年のジョージア侵攻と14年のクリミア併合に触れ、「ウクライナ全面侵攻は、これまで処罰されなかった一連の侵略行為の延長線上にある。ウクライナだけでなく世界に平和をもたらすためには、侵略は処罰されるということを示さなければならない」と語った。
ノーベル平和賞の意義
ロシアの侵略犯罪を問うため、国際法の重要性を強調した。国際法はロシアの暴走を止められなかったが、それでも希望を託す学者の存在にも言及した。