エルドアン大統領への権力集中を元首相が批判
トルコのアフメト・ダウトオール元首相は、2016年12月、当時首相だった自身の後任を前に、エルドアン大統領に直接警告を発した。その内容は、司法、立法、行政の三権分立を無視し、すべての権限を一人に集中させる憲法改正案が国会に提出されたことへの懸念だった。ダウトオール氏は「この仕組みはトルコに大きな損害を与える」と伝えたという。
クーデター未遂後の政治変革
この面会の5カ月前、2016年7月には軍の一部によるクーデター未遂が発生。ダウトオール氏は当時すでに首相を退任していたが、事件の夜は「トルコの民主主義を守る」ためエルドアン氏の側に立った。しかし、その後の憲法改正で導入された「実権型」大統領制は、彼の懸念通り、権力の集中を招いた。
連載「エルドアン氏のトルコ」の背景
本記事は、クーデター未遂から10年を機に始まった連載の一部。連載では、あの夜を記憶する人々への取材を通じ、トルコの民主主義と統治の変化を追う。第1回はクーデターの夜を変えたスマートフォンの役割、第2回は市民の抵抗、第3回はSNS投稿による公職追放、第4回は地方での圧力を特集している。
ダウトオール氏の現在の立場
ダウトオール氏は現在、エルドアン政権への批判を続ける一方、未来への希望も語る。彼は「抑制と均衡の欠如がトルコに与えた損害は大きいが、民主主義の回復は可能だ」と述べている。そのためには、市民社会の活性化と政治参加の拡大が必要だと強調する。



