英国防省は6日、北大西洋のアイスランド沖でNATO(北大西洋条約機構)の防空任務に就いていた英国の航空母艦「プリンス・オブ・ウェールズ」に対し、ロシア軍の哨戒機が低空で「安全ではない」行動を取ったと明らかにした。これを受け、空母からF35戦闘機2機がスクランブル(緊急発進)し、ロシア機が去るまで監視飛行を実施した。
ロシア機の行動と英国の対応
英国防省の発表によると、先週、アイスランド沖でNATOの防空作戦を展開していた英空母打撃群に対し、ロシアの「ベアF(Tu-142)」哨戒機が「繰り返し接近」する事案が発生した。ロシア機は空母に「不必要に接近」して通過したほか、近くの海域に多数のソナー(水中音響探知)装置を投下した。
これに対し、空母から英国のF35戦闘機2機が緊急発進し、哨戒機がその海域から離脱するまで監視飛行を継続した。国防省の報道官は、「ロシアによる行動は安全ではなく、かつ不適切なものだった」と指摘し、ロシアの行動を非難した。
NATO防空作戦と英空母の役割
英国防省によると、英海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」は「高まるロシアの脅威」から北大西洋を防衛する任務で打撃群を率いている。今回の作戦では、欧州籍の空母から発進したF35戦闘機がNATOの防空作戦に従事する初めての事例となった。F35は最新鋭のステルス戦闘機で、空母からの運用能力を持つ。
この事案は、北大西洋地域におけるNATOとロシアの緊張の高まりを反映している。ロシアは近年、北大西洋での軍事活動を活発化させており、NATO側も警戒を強化している。



