仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で7日に開かれた「読売Bizフォーラム東北」(一般社団法人「読売調査研究機構」主催)で、米国政治に詳しい早稲田大の中林美恵子教授が「揺れるアメリカ政治と世界秩序 中間選挙と日米関係の行方」をテーマに講演し、日米両国の視点で世界情勢を解説した。
二大強国による世界支配の危険性
中林教授は1992年に米国永住権を取得後、米連邦議会・上院予算委員会で米国家予算の編成に携わり、2002年に帰国。経済産業研究所研究員や衆院議員などを歴任し、2017年に早稲田大教授に就任した。
講演では、今後の世界秩序を考える上で今月下旬に米ワシントンで予定される米中首脳会談に注目すべきだとし、中国の狙いについて「2大国であることを世界で印象づけることだ」と分析。二大強国が世界を支配する構図は、分断と不安定を生む危険性があるとし、「日本からすれば非常に心配な状況もありうる」と警鐘を鳴らした。
トランプ政権への不信感と中間選挙の争点
トランプ大統領を巡っては、対イラン軍事攻撃やウクライナを巡る対応などから、「欧州では米国への不信感がとてつもなく大きくなっていると言われる」と指摘。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を制裁対象としたことについては「今の(日本の)政権がどういうスタンスを取るのか、日本の哲学や基軸を問い続ける必要がある」と投げかけた。
11月の米中間選挙の争点は「トランプ大統領の評価だ」と強調。世論調査で大統領支持率は低迷するが、多くの共和党支持者がイラン軍事攻撃を支持しているとし、経済政策への期待や不法移民対策、強いリーダーシップが強固な支持の背景にあると分析した。
その上で、トランプ政権下の日米関係については、防衛費の増額要求や関税の圧力を踏まえ、「日米同盟は絶対に必要だが、(日本の)同盟の多角化や経済安全保障を考えないといけない」と語った。
参加者の関心と感想
トランプ大統領の動向には参加者の関心も高く、建設業「大和リース」(大阪府)の内野俊樹仙台支社副支社長(51)は「トランプ氏が何をしたいか知り、今度の中間選挙に対して一層興味が湧いた」と話した。印刷業「タイワ」(大和町)の菅原正彦次長(50)は「トランプ氏が米国民からなぜ支持があるかわかった」と満足そうだった。



