フランス各地で24日、生活苦や公共サービスへの不満を理由とする大規模なデモが行われた。17日のデモには事前予測を上回る計55万人(内務省発表)が参加し、一部で暴動や略奪も発生したことから、当局は全国で7万人の警察官らを配置する厳戒態勢を敷いた。
パリで数百人が集結、公共サービスへの不満も
24日、パリで労働組合などが参加するデモの出発地点には、開始1時間前で数百人が集結。若者らが「マクロン(大統領)辞めろ」と叫んだ。医療や教育などの公共サービスへの不満を記したメッセージボードも見られた。
パリのレピュブリック広場では、1週間前の騒乱の爪痕がなお残り、焼け落ちた露店やひび割れたガラスがそのままになっていた。付近の店は板で外壁を補強し、貼り紙で一時休業を知らせる店舗も目立つ。
当局がデモ行進ルート変更、催涙弾で解散も
現地メディアによると、当局はパリで労組が申請したデモ行進のルートを認めず、中心部から離れたルートに変更した。中部リヨンでは集会の禁止区域に集まったとして、治安当局が催涙弾を使って人々を解散させたという。
マクロン大統領は22日、労組以外のデモは原則として禁じると表明。都市中心部での活動も認めない方針だ。AFP通信によると、24日は全国で前週より2割多い警備要員を投入。ルーブル美術館も安全のため閉鎖された。
デモ制限への批判、人権弁務官も懸念
ただ、デモの制限や警察の対応には批判が相次いでおり、フランスの環境政党のトンデリエ党首は23日、デモをする自由さえ損なわれたとして、「もう自分の国だと思えない」とラジオ番組で批判。人権擁護などに取り組む国際機関「欧州評議会」のマイケル・オフラハティ人権弁務官も23日、欧州各地で週末にデモが行われることを踏まえ、「平和的に集会する権利を保障し、警察活動が人権に適合した形で行われる」ことを求めた。
フランス内務省によると、17日の騒乱に際しては、2397人が拘束され、警察官と憲兵計997人が負傷した。商業施設の被害も甚大で、政府は17、18日に「数千店」が被害を受けたと発表している。