フランス暴動の背景に年金破綻懸念、近隣国への波及も 高橋洋一氏が解説
フランス暴動の背景に年金破綻懸念、近隣国への波及も

フランス各地で起きている抗議デモが暴動に発展し、近隣国への波及も懸念されている。財政への懸念からフランス国債が売られ、長期金利が上昇するなど、市場にも影響が出ている。根本原因には何があるのか。

デモから暴動へ、近隣国にも波及の恐れ

今回のフランスの出来事は、単なるデモではなく、デモを口実にした便乗暴動に発展している。こうした現象は政治史の中でしばしば見られるもので、純粋な気持ちから発生したデモが活動家に乗っ取られ、暴徒化し、不満のはけ口として暴力革命のようにつながっていくケースだ。

現在のフランスの暴動は近隣国にも波及する恐れがあり、イタリアは警戒を強めている。メローニ首相はデモでの暴力行為に対する罰則を強化した。フランス政府も徹底的に暴徒を取り締まる方針とみられる。

マクロン大統領の任期と次期大統領選

フランス憲法では大統領の任期は連続2期までと定められており、エマニュエル・マクロン大統領は2027年4月の次期大統領選に出馬できない。米国の予測市場では、「国民連合」のマリーヌ・ルペン前党首が最有力とされている。

暴動の背景にある財政問題、年金破綻懸念

暴動の背景にはフランスの財政問題がある。そして財政問題の根本は「年金の破綻懸念」だ。年金は細かい制度が絡み合って複雑に見えるが、基本的な仕組みはシンプルで、現役世代の支払い期間と保険料率、引退世代の受給期間、所得代替率からおおよそ把握できる。

日本の公的年金はおおよそ「支払期間」50年、「保険料率」20%、「受給期間」20年、「所得代替率」45%とされる。所得代替率が低く、「支払期間×保険料率」が「受給期間×所得代替率」より大きいため、破綻の恐れはほぼないとされる。