フランス内務省は29日、ロシア人コメンテーターのクセニア・フェドロワ氏に出国命令を出したと発表した。フェドロワ氏は、フランスのテレビやラジオを通じてロシアのプロパガンダを拡散していると批判されていた。
消息筋によると、フェドロワ氏は出国命令を受けて以来、自宅軟禁下に置かれ、毎日警察に出頭することが義務付けられている。
元RTジャーナリストの影響力
フランス大統領選を来年に控える中、ロシア国営メディア「RT」の元ジャーナリストであるフェドロワ氏の影響力に対し、偽情報の専門家らが注意を呼び掛けていた。フェドロワ氏を雇用するメディア企業は出国命令に驚かされたとし、「表現の自由に対する極めて重大な侵害だ」と反発している。
2022年のロシアによるウクライナへの全面侵攻開始後にフランスで放送禁止となった「RTフランス」の元トップであるフェドロワ氏は、フランスの大富豪バンサン・ボロレ氏(74)が率いる巨大メディア集団傘下の各媒体でコメンテーターを務めていた。仏紙ルモンドは、フェドロワ氏をボロレ氏の「秘蔵っ子」と表現している。
ロシア側のナラティブを拡散
フェドロワ氏はケーブルテレビ局Cニュースやラジオ局ヨーロッパ1、週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュなどに定期的に出演・寄稿し、ウクライナや西側諸国に関するロシア側のナラティブを広めてきた。
仏紙リベラシオンによると、出国命令は、フェドロワ氏がフランスの「公共の秩序を揺るがす」ことを目的に、「ロシア当局が主導する偽情報キャンペーンのパイプ役」として活動していたと指摘。さらに、同氏が「世論を操作し」、フランス国民をはじめとする「欧州市民の自国政府への信頼を損なう」ことを狙った偽情報の拡散に関与したと付け加えた。



