クロマグロ資源回復も沿岸漁業者が苦しむ、漁獲枠配分の矛盾とは
クロマグロ資源回復も沿岸漁業者苦しむ漁獲枠配分の矛盾

2026年現在、太平洋クロマグロと大西洋クロマグロの資源は絶滅危惧種指定から解除され、回復傾向にある。しかし、日本の沿岸漁業者は依然として厳しい状況に直面している。その原因は、漁獲枠の配分方法にあるという。

絶滅危惧種からの回復とその背景

2014年に太平洋クロマグロ、2011年に大西洋クロマグロが絶滅危惧種に指定された。両方とも資源減少の主因は、産卵期における巻き網漁による一網打尽だった。大西洋では地中海、太平洋では日本海沖で、産卵のために群れがまとまる時期に集中的に漁獲されたことが資源激減を招いた。

片野歩氏(Fisk Japan CEO、東京海洋大学特任教授)は、当時、産卵期の漁獲が資源に与える影響について、同じ関係者から矛盾する情報が発信され、混乱を招いたと指摘。「最終的には日本は科学を操作していると海外から批判され、国際的な圧力で資源回復に向かった」と述べている。

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漁獲枠配分の矛盾

資源減少の主因が巻き網漁であるにもかかわらず、現在の日本の漁獲枠配分は巻き網漁に手厚く割り当てられている。片野氏はこれを「制度としての矛盾」と批判する。国連海洋法(海の憲法)は「沿岸漁業社会の経済上のニーズを勘案しなければならない」と定め、SDGs14(海の豊かさを守ろう)の14.bでも「小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する」と明記されている。

ノルウェーの事例:漁業者間の争いを回避

片野氏は、漁業者間の争いが起きないノルウェーの漁獲枠配分を例示する。2026年、大西洋サバの資源減少に伴い、ノルウェーサバの漁獲枠は半減された。この大幅削減はノルウェーのみならず、日本の加工業者や供給にも深刻な影響を与えた。しかし、ノルウェーは小規模・沿岸漁業者への配慮を徹底しており、その配分方式は日本にとって参考になるとしている。

片野氏は「クロマグロの配分をどう変えるか」という問いかけで、今後の制度改革の必要性を示唆している。

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