オーストラリアで突然解雇された日本人が、次の職を得るまでに気づいた日本の強みについて、人類学の視点から考察します。
「あたり前」と「違い」を活かす2つの方法
「あたり前」と「違い」は人類学が大切にしているキーワードです。海外で働く際に、このキーワードを活用する2つの方法があります。
1つ目は、“違い”を前提にすることです。日本で働いた経験があると、その経験が「あたり前」であると考え、海外でも同じ考えを持ち働くことがあります。それには注意が必要です。
海外企業でのコミュニケーションの違い
例えば、仕事のコミュニケーションに関する違いを挙げてみます。海外企業では、社内である質問をした時にまったく回答がないことがあります。その背景には、「役割の細分化」が挙げられます。
例えば、日本で「営業」という1つの職種がありますが、海外企業では営業の中でも4つの違う職種が存在していたりします。そのような分業体制の中、自分の業務範囲内でなければ質問に返答しないことがあります。
「迅速に対応をしないこと」は良くも悪くもないと筆者は指摘します。
日本の「あたり前」が武器になる
私が驚いたのは、お客様から質問を受けた際も回答をしない様子を目にしたことでした。日本ではお客様の問い合わせに素早く回答することが「あたり前」だと考えていましたが、それは必ずしも海外の同僚が考える「あたり前」ではありませんでした。そのため、海外では「あたり前」の“違い”があることを前提にすることが大切です。
2つ目は、“優劣”をつけないことです。さきほどご紹介した例で、お客様の問い合わせに返答をしない同僚に対して、「仕事をしていない!」とネガティブな評価をしたくなることがあります。しかし、それが海外で「あたり前」の対応である場合は、「すべてのお客様の質問に早く回答することは良いことである」という自分の考えを押し付けてしまうことになります。
自分が持っている価値観や基準から違う考えを持つ人を評価して、“優劣”をつけないことが大切になります。日本の「あたり前」が武器になるという視点が、次の職を得るまでの気づきにつながったと筆者は述べています。



