ホルムズ海峡を巡る米国とイランの対立が新たな局面を迎え、16日には両軍が攻撃の応酬を繰り広げた。米中央軍(CENTCOM)は同日、「イランの軍事能力をさらに低下させる」ため、新たな一連の空爆を実施していると発表。これにより、米軍による空爆は6日連続となった。
米軍の空爆とイランの被害
米中央軍の発表によれば、最新の空爆はイランの軍事施設を標的としており、詳細な標的や規模については明らかにされていない。一方、イラン国営テレビは「米国の敵による侵略の継続」として、同国唯一の民間向け原子力発電所があるブシェール市で2回の爆発があったと報じた。また、沿岸都市バンダルアッバスでは原因不明の一連の爆発が発生した。
国営イラン通信(IRNA)も「アフワーズ周辺の地域に対する米国の敵による攻撃」を伝えた。アフワーズはイラン南西部の都市で、石油関連施設が集中する地域として知られる。
イランの警告と報復攻撃
イランはこれに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領がイランの発電所や橋を攻撃する脅しを実行に移した場合、中東全域のインフラを標的にすると警告していた。ただし、ホワイトハウスは同大統領が「外交に対して常にオープンである」と述べており、軍事行動と外交の両面での対応を示唆している。
イラン革命防衛隊(IRGC)は16日、アフワーズ近くのがん小児病院付近に対する米国の攻撃とされるものへの報復として、ヨルダンにある米空軍基地を弾道ミサイルで攻撃したと発表した。この攻撃による米軍側の被害の詳細は明らかになっていない。
イラン軍報道官の声明
イラン軍の報道官は国営テレビを通じて、米国に対し中東からの撤退を要求し、「われわれはホルムズ海峡を巡って決して屈することはない」と強調した。この発言は、イランがホルムズ海峡の航行安全に関して譲歩する意思がないことを示している。
中東情勢の行方
ホルムズ海峡は世界の石油輸送の要所であり、同海域の安定は国際エネルギー市場に直結する。米イラン双方の攻撃の応酬は、地域の緊張をさらに高めており、国際社会は事態の沈静化を求めている。しかし、現時点では両国の対立は深まる一方であり、外交的な解決の糸口は見えていない。
今回の攻撃の応酬は、イランの核開発問題や中東における米国の軍事的プレゼンスを巡る長年の緊張の延長線上にある。専門家は、両国が全面衝突を避けつつも、限定的な軍事行動を継続する可能性を指摘している。
AFP通信の取材に対し、米国防総省当局者は「米国はイランの攻撃能力を低下させるための限定的な作戦を継続する」と述べる一方、イラン側は「いかなる侵略にも断固として対応する」との姿勢を崩していない。



