サウジ皇太子がトランプ氏に複数回電話、イラン攻撃への支持を表明
【カイロ=村上愛衣】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2月28日、米国によるイラン攻撃の前に、サウジアラビアの実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子がトランプ米大統領に電話し、攻撃への支持を伝えていたと報じた。同紙は関係者4人の話としてこの情報を伝え、皇太子の電話は数回に及んだとしている。
イスラエルとの連携も背景に
同紙の報道によれば、イスラエルがかねてトランプ氏にイラン攻撃を促していたことに加え、ムハンマド皇太子とのやりとりも、トランプ氏が攻撃を決断する重要な判断材料になったとの見方が示されている。米国とイランが核問題に関する協議を継続する中、サウジ側は米国に対して明確な警告を発していたという。
具体的には、サウジアラビア政府は米国側に対し、「米国が今攻撃しなければ、イランは更に危険な存在になる」と強く訴えていた。この警告は、中東地域における安全保障上の懸念を背景にしたもので、緊急性を帯びたメッセージとして伝えられた。
長年の地域覇権争いが背景
サウジアラビアはイスラム教スンニ派の大国として、長年にわたりシーア派の大国であるイランと地域の覇権を争ってきた。この歴史的な対立構造が、今回の電話での支持表明に影響を与えていると分析される。両国は政治的、宗教的に鋭く対立しており、中東情勢の緊張を高める要因となっている。
ワシントン・ポストは、トランプ大統領とムハンマド皇太子の間で交わされたこれらの電話が、米国の外交政策に直接的な影響を及ぼした可能性を指摘している。特に、核協議が進行中であった時期に、サウジからの強い後押しが加わったことは、攻撃決断のプロセスにおいて無視できない要素だったとみられている。
この報道は、中東情勢の複雑さと、米国が地域の同盟国から受ける圧力の大きさを浮き彫りにしている。国際社会では、こうした動きがさらなる緊張を招くのではないかとの懸念も広がっている。



