上海協力機構、中露が影響力拡大に利用 イラン支援で米に対抗
上海協力機構、中露が影響力拡大に利用 イラン支援で米に対抗

米国がイランへの攻撃を再開し、経済制裁を強めても、中国やロシアがイランを支援して米国の圧力を骨抜きにする。他の有力新興国も巻き込みながら、米国に対抗して影響力を強めようとする中露の動きには警戒が必要だ。

SCO首脳会議、イラン攻撃を非難

中露が主導する上海協力機構(SCO)の首脳会議が、中央アジアのキルギスで開かれた。米国の名指しは避けながらも、イランへの軍事攻撃を「非難する」と明記した首脳宣言を採択した。

会議にはイランのペゼシュキアン大統領も出席し、米国の攻撃は国連憲章や国際法に違反すると主張し、自国への支持を訴えた。

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中露のイラン支援と首脳の対応

イランは米国の制裁下にあるが、中国はイラン産原油を輸入し、ロシアも貿易を続けてイラン経済を下支えしている。ロシアのプーチン大統領は今回、イランとの「連帯」を改めて表明した。

一方、中国の習近平国家主席はイランとの首脳会談を見送った。9月にトランプ米大統領との会談を予定しており、イラン寄りとみられるのを避けたとみられる。

SCOの拡大と国際秩序への影響

SCOは2001年、中露と中央アジア諸国の計6か国が、対テロなどを目的に創設した。その後インドやパキスタンなどが加わって10か国に拡大し、他に10か国以上のパートナー国も参加する。

米欧との協力関係を維持する国々も多く、一枚岩とは言い難い。一方で先進7か国(G7)は、米国が国際協調に背を向けたため、2年連続で首脳宣言の採択を見送るなど機能不全が際立つ。

その結果、中露がそれぞれ主導するSCOや新興国のBRICSといった枠組みの存在感が、相対的に高まる情勢となっている。

中露連携とアジアの安全保障

会議に先立って習氏はプーチン氏と会談し、「平等で秩序ある多極化世界の実現を目指す」と述べた。プーチン氏も「中露は国際関係の模範だ」と応じた。

だが、ロシアは4年半もウクライナ侵略を続け、中国もその国際法を踏みにじる蛮行を事実上黙認している。両国がイラン攻撃を非難しても説得力はない。

首脳宣言は「第2次大戦の結末に関する記憶の保存を支持し、歴史の改ざんに対抗する」とも記した。高市政権の防衛政策を「新型軍国主義」と批判する中国の主張を反映したのは明らかだ。

中露は6月に日本周辺で爆撃機の共同飛行を行った。プーチン氏は8月に北方領土の択捉島に初上陸し、中国は暗に支持した。中露連携こそがアジアの安全を脅かしているのが現実ではないか。

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