米国防総省が昨年導入した取材指針を巡り、首都ワシントンの連邦地裁は4月9日、同省が先月改定した指針を違法かつ無効とする判断を改めて示した。ヘグセス国防長官を名指しし、同省の対応を厳しく批判した。
裁判所の命令を無視する試みと指摘
地裁は、国防総省の改定後の指針について、「裁判所の命令を無効化しようとする試みだ」と指摘した。トランプ政権にとって都合の悪い情報を排除するため、「国防長官が情報をコントロールしようとしている」との認識を示し、政治的言論の抑圧は民主主義ではなく、専制政治の証しだと非難した。
背景と経緯
地裁は3月20日、記者の取材規制を強化する国防総省の指針について、言論の自由を定めた憲法に違反するとの判決を下していた。これに伴い、米紙ニューヨーク・タイムズの記者に取材許可証を発行することも命じた。これを受け、同省は暫定措置として指針を改定したが、施設内の作業スペースの閉鎖などが盛り込まれ、規制を強化する内容となっていた。
国防総省報道官は9日、この判決に対し、控訴する意向を示した。この動きは、米国における政府とメディアの関係に新たな緊張をもたらしている。
民主主義の原則への懸念
連邦地裁の判決は、情報の透明性と報道の自由を重視する立場から、国防総省の行動を厳しく断じた。政治的言論の抑圧が民主主義の基盤を脅かす可能性があると警告し、政府機関による情報統制の危険性を浮き彫りにした。
この判決は、米国憲法修正第一条が保障する言論の自由を巡る重要な事例として、今後も注目を集めそうだ。国防総省の対応次第では、さらなる法的争いが続く可能性がある。



