超円安の影響で海外旅行の費用が高騰する中、日本人旅行者にとって「最後の楽園」とも言える東南アジアの穴場リゾートが注目を集めている。その一つがベトナム中部の港湾都市、クイニョンだ。経済ジャーナリストの浦上早苗氏(法政大学MBA兼任教員)が実際に訪れ、その実態を報告する。
送迎車で流れるランバダの曲とキーコービーチの実情
屋根のない送迎車は、バックするときになぜか「ぴ~ろぴろり」とランバダの曲が流れる。高校入学直後の林間学校でキャンプファイヤーを囲み、この曲に合わせ全員で腰をくねらせて踊った記憶がよみがえったという。キーコービーチに向かう道中から、旅のユニークさが感じられる。
「有料なので人が少なく、プライベートビーチのように静か」と聞いていたキーコービーチは、実際はインスタ映えを意識したフォトスポットが各所に設置され、ベトナム人観光客でいっぱいだった。ただし、芋洗い状態というほどではなく、レストランやシャワー、有料休憩スペースが整備され、のんびり過ごせる環境が整っている。連休でなければさらに空いているだろう。ベトナムは美しいビーチが少ないと言われるが、キーコービーチは絵になる美しさだった。
ローカル向けシーフードレストランの魅力
海沿いの町クイニョンのおすすめはシーフード全般だ。人気のレストランは完全にローカル向けで、英語メニューはなく、店員もほとんど英語を話さない。メニューをGoogleレンズで翻訳し、周りの客が食べているものやGoogleマップの写真を頼りに注文するのが常套手段だ。外国人観光客はほとんど見かけない、ディープなローカル体験が味わえる。
クイニョンのシーフード料理はどれも絶品で、特に山盛りの海ぶどうが印象的だった。リーズナブルな価格で新鮮な魚介類を堪能できる点が、超円安時代の旅行者にとって大きな魅力となっている。
連載:筆者が滞在中に何度もリピートした麺料理
クイニョンには、筆者が滞在中に何度も通った麺料理の店もある。地元の人々でにぎわうその店では、ベトナム南部の家庭的な味わいが楽しめる。観光客向けにアレンジされていない、素朴で深い味わいが特徴だ。価格も驚くほど安く、超円安でも財布に優しい。
クイニョンは、まだまだ観光開発が進んでおらず、日本人にはあまり知られていない穴場である。しかし、その静けさとローカル色の強さが、逆に「最後の楽園」としての価値を高めている。超円安時代の海外旅行先として、検討する価値は十分にあるだろう。



