米中両政府は、ジョー・バイデン米大統領と習近平中国国家主席が、11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、北京で直接会談する方向で調整に入った。関係筋が16日、明らかにした。実現すれば、両首脳の直接対話は約1年ぶりとなる。
両国関係の安定化が狙い
会談は、両国間の緊張緩和と関係安定化が主な目的。バイデン政権は、台湾問題や南シナ海での中国の活動、人権問題などで中国に圧力をかけつつも、対話の継続を重視している。一方、中国側も経済的な相互依存関係を考慮し、全面的な対立回避を模索しているとみられる。
APEC首脳会議は11月に米国サンフランシスコで開催予定。今回の北京会談は、その前段階として、両首脳が直接意見交換する機会を設けるものだ。ホワイトハウスと中国外務省は公式コメントを控えている。
前回会談から1年
両首脳が直接会談したのは、2022年11月のインドネシア・バリ島でのG20サミット以来。その後、2023年2月に発生した中国の気球撃墜事件などで関係が悪化し、ハイレベル協議が停滞していた。
しかし、今年6月にアントニー・ブリンケン米国務長官が訪中し、習主席と会談。その後も、ジャネット・イエレン財務長官やジョン・ケリー気候変動担当大統領特使の訪中が相次ぎ、関係改善の兆しが見え始めていた。
焦点となる議題
会談では、台湾問題が最大の焦点となる見通し。米国は台湾の防衛強化を進めており、中国はこれに強く反発している。また、半導体を巡る輸出規制や、ウクライナ情勢、気候変動対策なども議題に上るとみられる。
さらに、両国間の貿易摩擦や、中国の過剰生産能力問題も話し合われる可能性がある。米国は中国の半導体やEV分野への補助金を問題視しており、中国側は米国の対中制裁に不満を募らせている。
実現への課題
ただ、会談実現には依然として課題も残る。中国側は、米国の台湾への武器売却や、先端半導体の対中輸出規制の緩和を求めている。米国側も、中国の人権状況や知的財産権侵害への対応を求めており、双方の主張の隔たりは大きい。
また、バイデン大統領の健康状態や、中国国内の政治日程も不確定要素だ。中国では秋に重要な党会議が予定されており、習主席のスケジュール調整が難しい可能性もある。



