ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会が、新潟県の「佐渡島(さど)の金山」をめぐり、現地での展示や説明内容に関し、「採掘が行われたすべての時期を通じた全体の歴史を包括的に扱う」ことを日本に勧告する文案をまとめたことが明らかになった。ユネスコ世界遺産センターが関連文書を公開した。
朝鮮半島出身労働者の過酷な実態
佐渡金山では朝鮮半島出身者を含む多くの労働者が過酷な労働環境に置かれていたことが判明しており、韓国側は多くの韓国人が強制的に労役させられたと主張している。世界遺産委員会は日本に対し、展示内容などの改善に向けて今後、韓国など関係国と緊密に協議することを求めている。
ユネスコは2024年に佐渡金山の世界遺産登録を決定した際も、現地の展示や説明で採掘に関する「全体の歴史」を扱うよう勧告していた。これを受け、日本側は佐渡金山近くの博物館に「朝鮮半島出身の人々を含む炭鉱員の暮らし」と題する展示スペースを新設した。
韓国政府の批判と今後の課題
しかし、韓国政府は2025年12月、日本政府がユネスコの勧告内容を「忠実に履行していない」と批判。今回の世界遺産委員会の勧告案は、こうした経緯を受けたものとみられる。勧告案では、日本が韓国など関係国と緊密に協議し、展示内容を改善するよう求めている。佐渡金山をめぐっては、日韓間で歴史認識の隔たりが埋まらず、今後の対応が注目される。



