【読売新聞】2026年7月15日、BS日テレの番組「深層NEWS」に元駐イラン大使の斉藤貢氏と元陸上自衛隊中部方面総監の山下裕貴氏が出演し、ホルムズ海峡を巡る最新情勢について議論を交わした。焦点となったのは、トランプ米大統領が海峡通過貨物に対する対価要求を撤回した経緯と、その背景にある米国内の政治状況である。
トランプ氏の「思いつき」発言と戦費批判の関係
斉藤貢氏は、トランプ大統領がホルムズ海峡の通航料を要求したことについて、「思いつきを言ったと思う」と指摘。その理由として、米国内で中東への軍事費負担に対する批判が強まっている状況を挙げ、「米国民の負担じゃないと言いたい思いがあったのだろう」と分析した。トランプ氏はこれまで、同盟国に負担を求める姿勢を繰り返し示しており、今回の発言もその文脈で捉えられる。
一方、山下裕貴氏は、イランの軍事拠点に対する米軍の攻撃について、限定的な効果しか期待できないと警鐘を鳴らした。「無人機やミサイルを全部はたたけない。船舶への脅威は続く」と述べ、ホルムズ海峡の安全確保には継続的な取り組みが必要だと強調した。
ホルムズ海峡の戦略的重要性と今後の見通し
ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約3分の1が通過する重要な海上交通の要衝である。イランは過去にも海峡封鎖をほのめかし、国際社会の緊張を高めてきた。トランプ政権のイランへの強硬姿勢は、同地域の安定に影響を与え続けている。
専門家の間では、米軍の限定的な攻撃ではイランの抑止力に十分な打撃を与えられないとの見方が多い。斉藤氏は、トランプ氏の思いつき的な発言が外交的な混乱を招く可能性にも言及。今後の米イラン関係は予断を許さない状況が続く。



