ウクライナ国防相解任に抗議デモ拡大、ロシア攻勢中に国民失望
ウクライナ国防相解任に抗議デモ拡大、国民失望

ウクライナのゼレンスキー大統領がフェドロウ国防相(35)を解任した決定に対し、国民の間で強い反発が広がっている。2026年7月16日には首都キーウをはじめ、北東部ハルキウ、南部オデーサなど複数の都市で市民による抗議デモが発生した。ウクライナメディアによれば、デモ参加者は「フェドロウ氏を国防相に戻せ」「旧ソ連の慣行を軍部から一掃せよ」といったプラカードを掲げ、解任に異議を唱えた。

改革派国防相と軍部の対立

フェドロウ氏の解任は、軍部との対立が直接の原因とされている。同氏は2026年1月にデジタル変革相から国防相に抜擢され、就任後はIT分野の知見や人脈を活用して軍の近代化を推進。特にドローン開発に注力し、ロシア領内への攻撃で成果を上げてきた。また、ニューヨーク・タイムズによれば、実業家イーロン・マスク氏との交渉を通じて、ロシア軍が衛星通信サービス「スターリンク」を利用できないようにするなどの成果も挙げている。

しかし、こうした改革路線が軍部の保守派との摩擦を生み、解任に至ったとみられる。タイミングとしては、ウクライナ軍がロシア領内へのドローン攻撃で戦果を挙げている最中であり、国民の間では「なぜ今解任するのか」との疑問が噴出している。

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抗議デモの広がりと国民の声

抗議デモは16日、キーウの独立広場をはじめ、ハルキウの自由広場、オデーサのプリモルスキー大通りなどで発生。参加者は数百人規模で、SNSを通じて呼びかけが行われた。あるデモ参加者は「フェドロウ氏のリーダーシップがなければ、ドローン攻撃の成功はなかった。この解任は戦争努力を損なう」と語った。また、別の参加者は「軍部の旧態依然とした考え方が改革を阻んでいる。これではどうやって戦争に勝てるのかわからない」と不満を表明した。

フェドロウ氏の功績と今後の影響

フェドロウ氏は国防相就任前、デジタル変革相としてウクライナのデジタル化を推進。国防相就任後は、ドローン部隊の拡充やサイバー防御の強化に努めた。特に、ロシア軍のスターリンク利用を遮断したことは、戦場での通信優位に大きく貢献したと評価されている。

今回の解任は、ゼレンスキー大統領の政権運営にも影を落とす可能性がある。戦時中における国防相の交代は、軍の士気や国際社会の信頼に影響を与えかねない。ウクライナ政府は後任の国防相を早急に指名する見通しだが、国民の間ではフェドロウ氏の復職を求める声が強まっている。

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