トルコ議会は10日、クルド人の独立を目指す武装闘争を展開していた非合法武装組織クルディスタン労働者党(PKK)との和平に向けた法案を可決した。殺人など重い犯罪に関わらなかった構成員らに恩赦への道を開く内容。一方、PKKは指導者のオジャラン氏の恩赦も求めて反発しており、和平が実現するかはなお不透明だ。
PKKとは
PKKはオジャラン氏が1978年に設立し、マルクス・レーニン主義とクルド人による独立国家の建設を掲げ、84年に武装闘争を開始。40年以上にわたって中東の不安定要因となってきた。トルコ政府は米英や欧州連合(EU)とともにPKKを「テロ組織」に指定しており、「一連のテロで4万人以上が犠牲になった」と主張している。
解散宣言と和平の動き
近年弱体化が進んでいたPKKは昨年5月、終身刑で服役中のオジャラン氏の呼びかけに応じて武装闘争の終了と解散を宣言。クルド人の権利向上に向け、民主的な戦いに活動を切り替えると主張した。PKKは既にイラク北部に活動の拠点を移しており、数千人とされる構成員の処遇が焦点となっていた。
法案の内容と課題
法案によると、PKKやその関連団体の解散と武装解除が政府によって確認された後、既に有罪判決が下っているPKKの構成員や関係者に対して、一定期間、刑の執行停止を認めるなどする。その間に別の「テロ犯罪」を犯さなければ、刑の執行を完了したとみなして事実上の恩赦が与えられる。
ただ、PKKとの和平プロセスが順調に進むかは定かでない。PKKはオジャラン氏の釈放を求めているが、法案では同氏は恩赦の対象外となる。PKKが反発して和平を妨害しようとする可能性があるほか、構成員の恩赦には世論の反発も出ている。



