人口27人の離島「男鹿島」のリアル:廃墟と静寂が描く日本の未来
人口27人の離島「男鹿島」のリアル:廃墟と静寂

姫路から船でわずか25分。そこに広がるのは、廃屋や錆びたバスが点在し、人口わずか27人という異世界だった。最盛期には500人以上が暮らした男鹿島は、今や「まじで何もねぇ!」と叫びたくなるほどの静寂に包まれている。しかし、その何もなさが逆にテンションを上げる——そんな体験を、肉体派ライターの佐藤大輝氏がリポートする。

島の現状:廃墟と野生動物の楽園

島に上陸した佐藤氏は、まず地元の中村氏からアドバイスを受けた。「10年くらい前は野犬がたくさんいたけど、今はいないから大丈夫」「この島にはクマも出ない」「だけどイノシシとかは出るから気を付けて」。その言葉通り、歩き始めて5分も経たないうちに、立派な角を持った鹿の群れに遭遇。つぶらな瞳でじっと見つめられ、人間が珍しいのかもしれないと感じたという。

島には「鹿公園」と呼ばれる場所があり、15~20匹ほどの鹿が飼育されている。男鹿島の名前の由来は、オスの鹿が姫路から海を泳いでたどり着いたという伝説に基づく。道中は舗装された道が多く、歩きやすいが、人間の生活音は一切なく、島全体が感動を覚えるほど静かだ。

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非日常という名の“贅沢”と“サバイバル”

佐藤氏は島の立ち入り禁止区域まで一本道を歩き続けた。誰ともすれ違わず、車も一台も通らない。ただ一人の釣り人を見かけただけだった。都会の喧騒から逃れたこの場所は、まさに別世界。「海がめっちゃきれい」と佐藤氏は写真に収めた。

しかし、この非日常は同時に“サバイバル”の側面も持つ。人口27人の島には、もはや日常のインフラはほとんど残っていない。廃墟と化した家々や、錆びついたバスが、過疎化の厳しい現実を物語っている。最盛期500人から27人への減少は、日本の多くの離島が直面する未来の縮図とも言える。

日本の未来を映す鏡

男鹿島の光景は、美しさと哀しさが同居している。静寂な自然は贅沢だが、その背後には人口減少という深刻な問題が横たわる。佐藤氏は「まじで何もねぇ!でもテンション上がる!」と表現するが、その何もなさこそが、日本の未来を暗示しているのかもしれない。

島を訪れることで、私たちは過疎化の現実を肌で感じると同時に、失われつつある日本の原風景を目にすることができる。男鹿島は、単なる観光地ではなく、日本が向き合うべき課題を突きつける場所なのだ。

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