タイ下院は27日、同性婚を認める婚姻平等法案を圧倒的多数で可決した。アジアでは台湾に次いで2カ国目、東南アジアでは初の同性婚合法化となる見通しだ。
法案の内容と可決の経緯
この法案は、婚姻に関する法律の文言を「男性と女性」から「個人」に変更し、同性カップルに婚姻の権利を認めるもの。下院で賛成400票、反対10票、棄権2票で可決された。与党・タイ貢献党の議員が提出したこの法案は、超党派の支持を得ている。
法案は今後、上院での審議を経て国王の承認を得る必要がある。上院でも大きな反対は予想されておらず、年内にも成立する見込み。施行は公布から120日後となる。
LGBTQコミュニティの反応
タイのLGBTQ活動家は、この法案の可決を歓迎している。活動家のナタポン・セーンティウォン氏は「今日は歴史的な日だ。タイ社会が多様性を受け入れ、全ての人の平等な権利を認めたことを示している」と述べた。
一方で、法案は完全な平等ではないとの指摘もある。現行の法案では、同性カップルに養子縁組の権利は認められていない。また、トランスジェンダーの人々の権利については、別途議論が必要とされている。
タイの社会とLGBTQの現状
タイは、LGBTQに対して比較的寛容なイメージがあるが、法的な保護は限定的だった。2020年には、同性パートナーシップを認める法案が検討されたが、婚姻の権利までは認められていなかった。
今回の法案可決により、タイはアジアで2番目に同性婚を合法化する国となる。台湾は2019年に同性婚を合法化している。また、ネパールやイスラエルでも同性婚に近い法的枠組みが存在するが、完全な同性婚ではない。
今後の展望
この法案が成立すれば、タイのLGBTQカップルは、婚姻に伴う法的権利(相続、税制上の優遇、医療決定権など)を享受できるようになる。観光業へのプラス効果も期待されており、タイ政府はLGBTQフレンドリーな観光地としてのイメージ強化を図っている。
しかし、保守的な意見も根強く、法案に対する反対運動も一部で行われた。今後の上院審議では、修正案が提出される可能性もある。



