プーチン認めた「経済への打撃」 ウクライナのドローン攻撃でロシア製油所機能不全
プーチン認めた「経済への打撃」 ウクライナドローン攻撃

2026年6月18日、モスクワ中心部からわずか15キロメートルのモスクワ製油所がウクライナ軍の大規模なドローン攻撃を受け、巨大な火柱が上がった。この攻撃により、製油所は操業停止に追い込まれ、モスクワ首都圏ではガソリンの給油制限が始まった。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「ウクライナ軍の攻撃はロシア経済を傷つけている」と公に認め、産油国でありながら燃料不足に陥る異例の事態となった。

モスクワ製油所への波状攻撃

ウクライナ軍は6月16日と18日の2度にわたり、モスクワ製油所をドローンで攻撃した。初回の攻撃では火災はすぐに消し止められたが、2度目の攻撃では大規模火災が発生し、消火できないまま製油所は機能を停止した。ロシア国防省によると、一夜で555機のウクライナ製ドローンを撃墜したが、首都圏のエネルギー供給の要衝を守り切れなかった。撃墜されたドローンのうち約200機はモスクワ近郊で迎撃されたという。

英BBCは、燃料タンクの巨大なフタが数十メートル上空に舞い上がる衝撃的な映像を報じた。住民からは「石油の雨が降った」「あらゆる表面が黒いすすで覆われた」との報告が相次ぎ、カタール国営衛星テレビ局アルジャジーラも同様の証言を伝えている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はWhatsAppの音声メッセージで、「大切なのは、ロシア国民がこの戦争を仕掛けているのはプーチンひとりであり、すべてのツケを払っているのは一般の人々だと気づき始めることだ」と述べた。

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製油所停止でガソリン不足

ウクライナ軍参謀本部の発表によれば、モスクワ製油所は首都圏の燃料消費の38%超を賄っており、近隣の4つの空港への航空燃料供給も一手に担っていた。製油所の操業停止により、モスクワ周辺では汚染の影響で6空港が閉鎖され、多数の便が欠航した。さらに、ロシア中部の製油施設も軒並みドローン攻撃の標的となり、ロイター通信は5月時点で、同地域の主要な製油所のほぼすべてが操業停止か生産縮小に追い込まれたと報じた。

ロイター通信によると、操業を全面または一部停止した製油所の処理能力は合わせて年間8300万トン超、1日あたり約23万8000トンにのぼり、ロシアの製油能力全体の約4分の1に相当する。特にロシア西部のキリシ製油所はロシア最大級の施設で、年間処理能力2000万トンを誇るが、5月5日を最後に完全に操業を停止している。

プーチンが認めた経済への打撃

2026年6月28日の「統一ロシア」党大会で、プーチン大統領は「ウクライナ軍の攻撃はロシア経済を傷つけている」と発言し、これまで強気の姿勢を崩さなかった同氏が異例の弱音を吐いたと報じられた。産油国でありながらガソリン不足に陥った背景には、製油能力の低下がある。戦費を注ぐほど経済が弱体化するという矛盾を露呈し、ロシア国民の不満が高まっている。

モスクワではガソリンの給油制限が始まり、住民からは「2日間給油できていない」との悲鳴が上がっている。世界第3位の産油国でありながら、首都で燃料不足が発生する事態は、ロシアの石油産業が機能不全に陥っていることを示している。

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