ポーランドのブワディスワフ・コシニャクカミシュ国防相は、ウクライナへの旧ソ連製ミグ29戦闘機提供を見送ると発表した。無人機技術との交換で合意していたが、ウクライナ側が履行しなかったためと説明している。
合意の経緯と破綻
ポーランドは2022年のロシアによる全面侵攻直後、保有するミグ29の大部分をウクライナに提供したが、現在も十数機を保有している。昨年12月、ポーランドは残るミグ29とウクライナの無人機技術との交換に応じる意向を示していた。
コシニャクカミシュ国防相は6月29日夜、民放「ポルサット・ニュース」で「非常に明確かつパートナーシップに基づいた対等なアプローチを提案していた。無人機と引き換えにミグ戦闘機を提供するというものだ」と説明。「ウクライナ側は当初これを受け入れたにもかかわらず、履行しなかった。したがって、ポーランド側への無人機や関連能力の提供がない以上、ウクライナ側にミグは提供しない」と述べた。
歴史認識をめぐる対立
両国関係は5月末、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、第2次世界大戦時にポーランド人虐殺に関与したウクライナ蜂起軍(UPA)にちなみ、ウクライナ軍特殊部隊を「UPAの英雄たち」と命名したことで冷え込んだ。UPAは1942年結成で、ポーランドでは10万人以上の民間人を虐殺したとされる。
これに対しポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、ゼレンスキー氏に授与された最高位の勲章「白鷲勲章」を剥奪した。
ポーランドの立場と軍近代化
ポーランドはウクライナへの軍事・人道支援物資の輸送ハブとして機能し続けており、ドナルド・トゥスク首相率いる親欧州派政府は対立の沈静化を呼び掛けている。
軍の近代化を進めるポーランドは、老朽化した旧ソ連製戦闘機を米国製F16や韓国製FA50戦闘攻撃機に置き換え、空軍機の大部分を更新。さらに米国に発注済みのF35戦闘機35機の納入も待っている。



