ミャンマー国軍は、非常事態宣言をさらに2年間延長すると発表した。これにより、国軍が主導する暫定統治が継続され、民主的な選挙への移行が遅れることになる。
国営テレビで発表
国営テレビMRTVは1月31日、国防軍総司令官のミン・アウン・フライン上級大将が国家安全保障会議を招集し、非常事態宣言の延長を決定したと報じた。声明では、2021年2月のクーデター以来続く非常事態をさらに2年間延長し、総選挙も延期するとしている。
国軍は2023年8月に、非常事態宣言を6か月間延長し、2024年1月末までとしていた。今回の延長により、少なくとも2026年2月まで国軍の統治が続くことになる。
民主化プロセスへの影響
この決定は、ミャンマーの民主化プロセスに深刻な打撃を与える。国軍は2021年2月のクーデターでアウン・サン・スー・チー氏率いる文民政権を打倒し、以来、非常事態下で統治を続けている。国軍は総選挙を実施する意向を示していたが、具体的な日程は未定のままだった。
国際社会はこの動きを非難。米国務省報道官は「ミャンマー国民の意思を無視するものだ」と批判し、国連人権理事会も懸念を表明した。
国内の反応
一方、国内では民主派勢力が強く反発。国民統一政府(NUG)の報道官は「国軍の延長は違法であり、国民は抵抗を続ける」と声明を発表した。また、少数民族武装勢力との戦闘も続いており、国内の不安定な情勢が長期化する恐れがある。
ミャンマーでは、クーデター以降、経済制裁や市民の抵抗運動により経済が低迷。世界銀行の報告によると、2023年のGDP成長率はわずか1%と推定され、貧困率も上昇している。
今後の展望
専門家は、国軍の延長決定は予想通りであり、短期的な民主化の見通しは立たないと指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)も仲介努力を続けているが、進展は見られない。
今回の延長により、ミャンマーの政治危機はさらに長期化し、国民生活への影響が深刻化することが懸念される。



