韓国人の間で、糖尿病治療薬「マンジャロ」の入手を目的にした日本旅行が人気を集めている。韓国国内の半額以下とされる販売価格と円安の影響で「旅費を加えてもお釣りがくる」と評判になり、正規の税関手続きを踏まずに持ち帰るケースが横行。通関検査が強化され、糖尿病患者の日韓往来に支障が生じかねない事態になっている。
「タダで日本旅行」の仕組み
ソウルに住む韓国人の男性会社員(32)は8月、友人と日帰りで福岡を訪れた。日本食を楽しみつつも、旅行の真の目的はマンジャロの処方を受けることだった。4カ月分の購入代金は85万ウォン(約9万7000円)だったが、「ソウルで購入すれば安くても170万ウォンを超える」。往復航空券の約35万ウォンを考慮しても大幅に費用を抑えることができたといい、男性は「健康を取り戻しながら、タダで日本旅行も楽しめる仕組みだ」と笑みを浮かべた。
「スシジャロ」と呼ばれる買い占め現象
韓国メディアは、日本で購入するマンジャロが「スシジャロ」とも呼ばれ、韓国人による「買い占め現象が公然と生じている」(文化日報)と報じる。日韓で価格差が大きいのは、健康保険適用の有無に違いがあるためだ。2型糖尿病の治療薬として国が公定薬価を定める日本では、美容外科などで自由診療で処方される際にも価格が抑制される。一方、韓国では保険適用の対象に含まれておらず、民間で設定する薬価が高額にとどまる。
韓国人訪日客は過去最多を更新
日本政府観光局(JNTO)によると、日本を訪れた韓国人は昨年、前年比7.3%増の945万9600人で過去最多を記録。今年の訪問者数も前年を上回る見通しで、円安ウォン高に加えて「肥満治療」が日本人気を牽引する格好だ。



